T-RackS
マスタリング・ソフトとして1999年の発売を開始したIK Multimediaの『T-RackS』は、今ではモジュールも増えマスタリングだけでなく、ミックスでも大活躍する定番のソフトとなりました。
プラグインとしてだけでなく、スタンドアローン版としても動作する『T-RackS』ですが、大きく進化した2017年10月25日にリリースされた「T-RackS 5」では、スタンドアローン版はDDPの書き出しにも対応しています。
T-RackSのサウンドの特徴
質の高いアナログサウンド
質の高い暖かくて豊かなアナログサウンドが魅力のIK Multimediaの『T-RackS シリーズ』にはミックスとマスタリングに活躍するコンプレッサーやEQなどのプラグイン・エフェクターが多数あります。
エフェクターのサウンド・クオリティーは非常に高いものもあり、マスタリング作業だけでなくミックスダウン時にも活躍します。
わたしの『T-RackS』の使用歴はバージョン 1から使用していますので、かなり長く、今でもミックス時に使用しています。
また楽曲にもよりますがマスタリング時に2ミックスに暖かさや豊かさが欲しいときなどはファイナルリミッターのまえにアナログ系のプラグインをインサートしたりしています。
ナチュラルサウンド
IK Multimediaの歴史であったり、サウンドの特性上、アナログ・サウンドばかりが取り上げられる『T-RackS』ですが、『T-RackS 3 Deluxe』で搭載された「Brickwall Limiter(ブリックウォール・リミッター)」は音を歪めることなく透明でナチュラルな感じでオーディオレベルの最適化をすることが可能なマスタリング・リミッターです。
またマスタリングリミッターの進化系であり、次の次元への突入を予感させる、素材を壊すことなく自然で透明なサウンドのままに音圧上げができる「Stealth Limiter(ステルス・リミッター)」が2015年に登場しています。
オススメのモジュール
T-RackSで「どのがモジュールオススメなのか?」という質問をいただいたので、記事にするのが遅くなってしまいましたが記載しておきます。
個人的なオススメはマイク・モデリング・プラグイン「Mic Room」 、マスタリングEQ 「Master EQ 432」、ミックス・バス・コンプレッサー「Bus Compressor」、4バンドEQ/プリ「EQ PB」です。
空間系だとビンテージ・テープ・ディレイ「Tape Echo」、プレート・リバーブ「CSR Plate Reverb」あたりです。
バス・コンプレッサーに関しては、基本は「Waves SSL G-Master Buss Comp」と「SSL Duende Native Bus Compressor」を基準にしていますが、曲調により明るさが欲しいときなどにIKの「Bus Compressor」を使用しています。
プレート・リバーブ「CSR Plate Reverb」は主に女性ボーカルですが、この上なくフィットするときがあります。
T-RackSのセレクトポイントと詳細スペック
T-RackS 5が登場
2017年10月25日にリリースされた「T-RackS 5」は新搭載の「Master Match」「Dyna-Mu」「EQual」「ONE」も大きな魅力ですが、、バージョン 5以降で使用することのできる超一流サウンドエンジニアの設計した「シグニチャー・プリセット」も大きな魅力です。
ラインナップはスタンダード板「T-RackS 5(計9モジュール)」上位版「T-RackS 5 Deluxe(計22モジュール)」、最上位版「T-RackS 5 MAX(計38モジュール)」となります。
T-RackS Deluxe(計22モジュール)
前バージョンの『T-RACKS PLUG-IN(現 T-RackS Classic)』に搭載されていた4つのプラグインに5つの即戦力プラグイン・エフェクターを追加したパッケージがIK Multimedia『T-RackS Deluxe』です。IK Multimediaはマスタリング・プラグインの世界で歴史のあるメーカーですが『T-RackS 3』で現在のマスタリングの定番ともなったMS処理に素早く対応しています。それほどIKのプラグインは…
T-RackS MAX(計38モジュール)
ミックス / マスタリング用のプラグイン、トータル33モデルをバンドルした『T-RackS MAX』が2016年02月にIK Multimediaから発表されました。
『T-RackS MAX』には「Stealth Limiter」だけでなく、マルチ・モード・ハーモニック・サチュレーション・プロセッサーや「Saturator X」やマイク・モデリング・プラグイン「Mic Room」などの2015年以降にリリースされた新しいプラグインも収録されています。
尚、『T-RackS MAX』はIK Multimediaの最上位バンドル『Total Studio MAX』にも収録されています。
T-RackSの詳細スペック
IK Multimediaの『T-RackS』の詳細スペックと価格情報に興味のある方は「T-RackSの詳細スペック&価格情報」でチェックして下さい。
IKは単品んで追加してゆくと小銭をどんどん使うことになりますので、『T-RackS Deluxe』よりも「Stealth Limiter」も収録されている『T-RackS MAX』と、多少高くなりますが打ち込み最上位バンドル『Total Studio MAX』がオススメです。きっと価格以上の価値を体感することができると思います。