DTMドラム音源
基本的なドラムの定番ソフトシンセはToontrack『SUPERIOR DRUMMER 3』、XLN Audio『Addictive Drums 2』、FXPansion『BFD3』の3大ドラム音源です。
3大ドラム音源に関しては別売りの専用ライブラリも用意されているので、どれを選んだとしても仕事レベルでも対応することができます。
ただし、音楽制作ツールの世界は一度定番になると入れ替わらないのが特徴ですので、あくまでも上記が定番であるだけで、他のドラム音源が使えないわけではありません。
UJAM「Virtual Drummer」とSteinberg「Groove Agent 5」も使い勝手の良い優れた音源です。
2017年09月にリリースされたTOONTRACKのドラム音源『SUPERIOR DRUMMER 3』とUJAM『Virtual Drummer』の記事を追加して2019年にリニューアルしました。IK Multimedia『MODO DRUM』の記事を追加しています。
ドラム専用の定番オススメDTM音源
SUPERIOR DRUMMER 3

2017年09月にTOONTRACKのドラム音源『SUPERIOR DRUMMER 2.0』(2008年リリース)の後継にあたる『SUPERIOR DRUMMER 3』がリリースされました。
多くの新機能が搭載されていますが、目を引くのは完全に1 から収録されたサウンドライブラリの容量が235GBとなったことです。
前バージョン2.0の容量が19GBですので、まったく別次元の容量の大きく進化したドラム音源となっています。
『SUPERIOR DRUMMER 3』のエンジニアはグラミー賞を獲得したこともある世界的なプロデューサー/エンジニアのGeorge Massenburg(ジョージ・マッセンバーグ)が担当しています。
この分野のパイオニア的な『dfh Superior』からの歴史のあるドラム音源ですが、音質や操作性はしっかりとしています。
もちろん拡張音源シリーズ「EZX(イージーエックス)」を『Superior Drummer 3』本体にロードして使用することもできます。
Addictive Drums 2

音楽制作ツールの世界では一度定番になると入れ替わらないのが特徴ですが『SUPERIOR DRUMMER』と『BFD』のなかに定番ドラム音源としてXLN Audio『Addictive Drums』は入って来たのは、もうだいぶ前の話になります。
動作が軽くて高音質というだけでなく、プリセットやリズム・パターンも豊富に収録されていることが大きな魅力であると「Addictive Drums 2 – XLN Audioの人気・定番ドラム音源」で書きましたが、本当にストレスなくリアルなドラムトラックを作成できます。
必要ハードディスク容量が3GBなので他のドラム音源に比べて不安に感じる方がいるかもしれませんが、音質等を考えても充分に使えるドラム音源で、個人的に仕事でも『Addictive Drums 2』を利用したりもしています。
2014年に登場した『Addictive Drums 2』のラインナップは「Artist」「Producer」「XXL Studio」でしたが、2017年時点で調べたところ「Addictive Drums 2 Custom」「Addictive Drums 2 Custom XL」「Addictive Drums 2 Creative Collection」などのラインナップに変わっています。
2013年に登場したCakewalkのDAWソフト『SONAR X3 PRODUCER』に『Addictive Drums』のダウンロード版と同じものが標準で搭載されたことで少し話題になりましたが、現行の「SONAR PLATINUM」に付属するのは「Addictive Drums 2 Producer」です。
しかし「Addictive Drums 2 Custom」と同様に好きな「ADpak」「MIDIpak」「Kitpiece Pak」を3つずつ選ぶことができます。
BFD3

仕事でも使用している人も多いと思いますが、完全に音楽制作に特化したデスクトップPCを所有していて、ハードディスクに余裕のある人は2013年にバージョンアップしたFXPansion『BFD3』がオススメです。
55GB以上のディスク容量が必要ですが、さまざまなスタイルのグルーブも収録されているので、ドラムサウンド&トラックに関しては『BFD3』を導入すれば、ほとんど考える必要がなくなると言っても良いほどのクオリティーの高いリズムトラックを完成させることができます。
尚、FXPansion『BFD3』はElectronic Musician「Editors’ Choice Awards 2014」を受賞しています。
EZ drummer 2

初心者向けのドラム音源だと、価格的に導入しやすいこともありToontrack『EZ drummer』が何年ものあいだ定番ソフトになっています。
2014年にニューバージョンにあたる『EZ drummer 2』が登場しましたが、充実した専用拡張音源『EZX』も用意されていますので「はじめてのドラム音源」としては最適です。
ただし、ドラム音源自体の価格が2017年時点で、かなり落ちてきて、『Addictive Drums 2』と価格があまり変わらないということもあり、このあたりを充分に考慮して選択するとよいでしょう。
その他のドラム専用のオススメDTM音源
MODO DRUM

2019年08月にIK Multimediaがリリースした『MODO DRUM』は、世界で初めてフィジカル・モデリングを採用したドラム音源です。
「MODO DRUMが定番のドラム音源になる可能性」でも書いていますが、世界初のフィジカル・モデリング音源というのが売りのソフトシンセではありますが、ハイハットやシンバルの金物系はサンプルベースです。
そのため正確にはフィジカル・モデリングとサンプルベースの組み合わせによるソフトウェア・ドラム音源です。
様々なジャンルに対応する10種類のドラム・キットを収録する『MODO DRUM』はドラムの素材、サイズ、プレイ・スタイル、部屋鳴りなどを細かくエディットすることができ、1,400種類以上のMIDIパターンも収録します。
Virtual Drummer 2

UJAM『Virtual Drummer シリーズ』は、演奏スタイルとIntro、Verse、Chorus、Endingなどの演奏パターンを選択して、スピーディーに使えるドラムトラックを生成することができるドラム音源です。
ポップス向け「SOLID」ロック系「HEAVY」、ファンキーでアーバンな「PHAT」などの『Virtual Drummer』がリリースれていますが、レコーディングには高品位なマイクとアウトボードが使用されているだけでなく、プロ・ドラマー達のパフォーマンスを細部に渡り丁重に録音されています。
「Virtual Drummer シリーズ - UJAMのドラム音源」でも書きましたが、スタイル/演奏パターンがセールスポイントのドラム音源ですが『Virtual Drummer』でワンショットのドラムの打ち込みも行えます。
2019年07月に「Virtual Drummer 2」がリリースされ「MIDIフレーズのドラッグ&ドロップ」「マルチアウト対応」「新しいスタイル、プリセット/フレーズの追加」「強化されたミキサーセクション」など機能強化されました。
Groove Agent 5

どうしてもCubaseユーザー向きの音源のイメージが先行するSteinberg『Groove Agent』ですが、プリセット数やスタイル数も、たくさん収録されているため、短時間でのドラムトラック&パーカッショントラックの作成が可能です。
Cubaseにバンドルする「Groove Agent SE 」はプリセット数やスタイル数がかなり少ないですが、フルバージョンはプリセット数やスタイル数も豊富ですので満足がゆくと思います。
またアコースティック&エレクトリック・ドラムだけでなく『Groove Agent』には、パーカッション専用のモジュール「Percussion Agent」もあります。
個人的に本格的に『Groove Agent 4』を使用し始めたときに感じたのですが、リズムパターンをMIDIトラックにドラッグして使用するこもできるので、かなり使えるドラム音源です。
2018年にリリースされた『Groove Agent 5』では、アコースティック・ドラム音源「THE KIT」と、30種類の新エレクトロミュージック用ドラム音源を新たに付属しています。
また『Groove Agent 5』用のライブラリである、ハードロック・ドラム「Rock Essentials」とヒップホップ・サウンド「Prime Cuts」も付属します。
尚、2019年01月にアップデートしたSteinbergのソフトシンセのバンドルパッケージ『Absolute 4』にも『Groove Agent 5』は収録されています。