2011年12月に発売が開始されたCakewalk(ケークウォーク)の『SONAR X1 Production Suite』は定番の人気DAWソフト『SONAR X1 Producer』の最新バージョン『SONAR X1c Producer』をベースに『SONAR X1 EXPANDED』『PC4K S-Type Expander/Gateモジュール』『Z3TA+ 2』を統合したプロ仕様のコンプリートDAWパッケージです。
もちろん音楽制作ソフトというのは今後も発展して行くと思いますが、『SONAR X1 Production Suite』は「CakewalkがたどりついたDAWシステムにおけるひとつのゴールなのでは?」という個人的な感想を持ちました。
SONAR X1 Production Suiteの特徴
最新バージョン『SONAR X1c Producer』
2010年に登場したDAWソフト『SONAR X1 Producer』の最新バージョンが2011年12月に登場した『SONAR X1c Producer』です。
「X1.5」や「X2」あたりで来ると思っていたので、数字ではなくアルファベットの「X1c」というのは少し意外でしたが、操作性が向上した「ループ・コンストラクション・ビュー」やリニューアルした「ステップ・シーケンサー」の進化をはじめ、『SONAR X1c Producer』で追加された新機能によって前バージョンよりもさらに強化されたDAWソフトになっています。
ソフトシンセ『Z3TA+ 2』
大幅に機能が強化された最新バージョンのウェーブ・シェイピング・シンセサイザー『Z3TA+ 2』が『SONAR X1 Production Suite』にはパッケージされています。
ソフトシンセ『Z3TA+ 2』は多彩なサウンド・メイクを可能にするアナログシンセで、バージョン2には『Z3TA+』に収録されていたプリセットに加えて、サウンドデザイナーによる1,000以上の新しいプリセットも収録されています。
機能追加『SONAR X1 EXPANDED』
さらに新機能を追加できる
かなりDAWソフトとして完成度の高い『SONAR X1c Producer』ですが、さらにCakewalk『SONAR X1 Production Suite』にパッケージされる『SONAR X1 EXPANDED』により「ProChannel Modularity」「FX Chains 2.0」「SoundCloudへのアップロード機能」「Music XMLファイルへのエクスポート機能」などの新たな機能を追加することができます。
ProChannelのモジュール化
最上位版の『SONAR Producer』のみに搭載されていた好評の高機能チャンネル・ストリップ「ProChannel」の各機能をモジュール化した「ProChannel Modularity」が『SONAR X1 EXPANDED』で追加することのできる新たな機能のなかでのメインです。
EQ/Comp/Saturationなどの各モジュールを自由に組み合わせて「ProChannel Modularity」でミキシングやマスタリング作業時などに多彩な音作りをすることが可能です。
温かみのある真空管サウンドを簡単に得ることのできる「Softube Saturation Knob」と1980〜1990年代に活躍した伝説のラージ・コンソール・サウンドを再現することのできる「PC4K S-Type Expander/Gate」の2つのモジュールも「ProChannel」には新たに追加されています。
FX Chains 2.0
ルーティングした複数のプラグイン・エフェクトをひとつのマルチ・エフェクトにすることができる「FX Chains 2.0」も『SONAR X1 EXPANDED』に搭載されています。
即戦力となるプリセットも「FX Chains 2.0」には収録されているのでサウンドメイク時に重宝します。
すでに『SONAR X1 Producer』を使用している方には『SONAR X1 Production Suite KIT』が用意されています。このパッケージで『SONAR X1c Producer』『SONAR X1 EXPANDED』『PC4K S-Type Expander/Gateモジュール』『Z3TA+ 2』が追加されます。
アップグレード・キットの価格はそれほど高くなく『SONAR X1 EXPANDED』の目玉でもある「ProChannel Modularity」は、かなり使えるのでアップグレードしても良いと思います。
新たに『SONAR X1 Producer』か『SONAR X1 Production Suite』の導入を検討している方は自分の音楽制作環境に何が足りないのかを明確にしてから導入をすることをオススメします。