歌声合成の世界を変えたDreamtonics開発の「Synthesizer V」は、現時点で市販されている歌声合成ソフトの中ではナンバー1の実力を持っています。
最新バージョンは2024年04月にアップデートした「Synthesizer V Studio 1.11.0」となり、有償の「Synthesizer V Studio Pro」と、無償で使える「Synthesizer V Studio Basic」があります。
注意点として、無償で使えるエディションだと、AIボーカルの実力をフルに活かすことができないことを書いておきます。
また、歌声データベースには無償で使用することのできるライト版もありますが、市販されているフルバージョンとは別物のクオリティーです。
2024年 Synthesizer V 最新情報
可不(KAFU)すべての予約を一旦キャンセル(05月14日)
2023年12月23日に発売延期が発表されていたSynthesizer V AI用の歌声データベース 可不(KAFU) のすべての予約を一旦キャンセルすることが販売元のKAMITSUBAKI STUDIOから発表されました。
可不(KAFU)はバーチャルシンガー・花譜の歌声をベースにした歌声合成ソフトウェアで、他の歌声合成ソフトで、すでに多大な人気を得ていました。
そのSynthesizer V版ということで楽しみにしていた人も多いと思いますが、Synthesizer Vの技術力の高さに、CVとKAMITSUBAKI STUDIOのあいだでリリースの合意ができなかったようです。
CVが「フォニイ」という可不のデモ曲を聴いて「私はこの新しい可不ちゃんを喜んで様々な人のもとに送り出すことは出来ないと改めて思ってしまいました。」とコメントしていますが、発売中止のアナウンスではなく「話し合いを続ける」とのことなので、よい方向へ向かえばと思います。
フリモメン発売開始(04月25日)
声優 古賀明の声を元に制作した Synthesizer V専用 男性AI歌声データベース「Synthesizer V AI フリモメン」の発売が2024年04月25日に開始されました。
フリモメンは、ファットな低域が特徴の歌声データベースで、パワフルなヒーローソング風、ハードロック調の歌、やさしく語りかけるようなバラードなど、低域の魅力を活かした表現が可能です。
05月01日に歌声データベース「Synthesizer V AI フリモメン ライト版」の公開が開始されています。
Synthesizer V Studio 1.11.0と公式ユーザーマニュアル公開(04月04日)
Synthesizer V Studioのアップデータ1.11.0とスペイン語の歌唱に対応した歌声データベースが04月04日に公開されました。
Synthesizer V Studio 1.11.0 は、2023年11月以降に発表したベータ版を経た最終リリースの正式版となります。
正式版では、新機能の搭載、機能改善、不具合の修正を行われていますが、ベータ版で改良を重ねてきたARAプラグインによるフルARAモード・ARAブリッジモードの安定性の向上や、録音されたボーカルをノートと歌詞に変換する「ボーカルMIDI変換」機能も正式リリースが大きなポイントとなります。
また「Synthesizer V Studio オンライン公式ユーザーマニュアル」が新たに公開開始されました。
Synthesizer V Studio 1.11.0 b3 公開(02月08日)
対応DAWと一体化した高度なARA機能を使用することのできる「Synthesizer V Studioのβ版アップデータ1.11.0 b3」が2024年02月08日に公開されました。
オーディオトラックのボーカルMIDI変換がβ版アップデータ1.11.0 b3で実装されています。
2023年 Synthesizer V 情報
夢ノ結唱 POPY/ROSE 発売開始(12月21日)
株式会社ブシロードミュージックから2023年12月21日に開発元であるDreamtonics株式会社と株式会社AHSが協力し制作された歌声データベース「Synthesizer V AI 夢ノ結唱 POPY」と「Synthesizer V AI 夢ノ結唱 ROSE」の発売が開始されました。
夢ノ結唱 BanG Dream! AI Singing Synthesizer は、アニメ、ゲーム、コミック、声優によるリアルライブなど様々な展開を行っている次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」による新たなメディアミックスプロジェクトです。
POPYは、Poppin’PartyのGt. & Vo. 戸山香澄(CV.愛美)、ROSEは、RoseliaのVo. 湊友希那(CV.相羽あいな)の歌声をAI技術を使い、声質・癖・歌い方をリアルに再現しています。
AI歌声データベース Megpoid 発売開始(12月20日)
2023年12月20日に株式会社インターネットよりSynthesizer V 専用歌声データベース「Synthesizer V AI Megpoid(メグッポイド)」がリリースされました。
GUMI(グミ)という愛称で、ボーカロイドの黄金時代を牽引してきた人気ライブラリのひとつである Megpoidは、歌手・声優の中島愛(なかじまめぐみ)さんの声をベースに制作されています。
すでに、YAMAHA「VOCALOID 6」のVOCALOID:AI 専用歌声ボイスバンクとして発売されていましたが、株式会社インターネットから、AHSがSynthesizer V 対応の歌声データベース開発の要望を請け、Synth-Vの開発元であるDreamtonicsと協力して「Synthesizer V AI Megpoid」が制作されました。
Synthesizer V Studio 1.11.0 b2 公開(12月18日)
Cubase、Studio One、Reaper、Cakewalk、ABILITYがフルARAモード対応となった「Synthesizer V Studioのβ版アップデータ1.11.0 b2」が12月18日に公開されました。
β版アップデータ1.11.0 b2では、オーディオトラックのボーカルMIDI変換や、スペイン語歌唱も実装され、スペイン語の歌唱に対応したDreamtonicsの歌声データベースβ版も公開されました。
AI歌声データベース AyameとJinが発売(12月07日)
2023年12月07に Dreamtonicsから Synthesizer V専用歌声データベース「Synthesizer V AI Ayame」と「Synthesizer V AI Jin」の発売が開始されました。
収録言語が日本語の女性歌声データベース「Synthesizer V AI Ayame」はマイルドな歌声の中にも艶があり、聞き心地の良い中域から、語りかけるような低域のウィスパーボイスが特徴です。
ソウルフルで力強く、適度にざらついた明るい声質が心地よい「Synthesizer V AI Jin」は、収録言語が日本語の男性歌声データベースです。
Synthesizer V Studio 1.11.0 b1 公開(11月24日)
新たにARAプラグインに対応した「Synthesizer V Studioのβ版アップデータ1.11.0 b1」が公開されました。Cubase、Studio One、Reaperで、DAWと一体化した高度なARA機能が使用することができます。
また、オーディオトラックをMIDIデータへ変換することのできる「ボーカルMIDI変換」が、今バージョン 1.11.0 b1実装されています。
Synthesizer V AI Eri/Sheena/Hayden 発売開始(10月26日)
Synthesizer V専用の女性歌声データベース「Synthesizer V AI Eri」「Synthesizer V AI Sheena」と、男性歌声データベース「Synthesizer V AI Hayden」の計3ライブラリが Dreamtonicsから 2023年10月26日に発売となりました。
また、日本語のラップ歌唱に対応したSynthesizer V 各種歌声データベースアップデータが公開されました。
ラップミュージックに最適化された女性歌声データベース「Synthesizer V AI Eri」
は、低めのキーを得意とする歌声が特徴です。ラップだけでなくメロディーの歌唱も大丈夫です。
バイリンガル歌声データベース「Synthesizer V AI Sheena」は、メランコリックで独特な歌声と力強さを併せ持つ、Dreamtonicsでは Saki 以来?となるキャラ系ではない本格的な声質が特徴の女性歌声データベースです。
男性歌声データベース「Synthesizer V AI Hayden」は低中音域でのハスキーさが特徴的な2000年代初頭のポップスやオルタナティブロックなどの曲を彷彿とさせる歌声が特徴です。
Synthesizer V Studio 1.10.0 公開(10月19日)
RLHFによりピッチ生成を強化したピッチモデルに対応し、より高品質で自然な歌唱編集が可能となった「Synthesizer V Studio アップデータ1.10.0」が公開されました。
その他にもアップデートされた「Synthesizer V Studio 1.10.0」では、さまざまな調整や修正が加わっています。