コード入力に対応しているオートアレンジ機能搭載のDTM・DAWソフトなら、コード進行を指定しながら1曲のバックトラックを簡単にスピーディーに作ることができます。
初心者の人は自分の好きなアーティストの楽譜に載っているコード進行を入力することから始めてみるとよいでしょう。
コード進行を含めた作曲や編曲を理解するのにも、非常にオートアレンジ機能は役に立つと思います。
また、プロレベルでの音楽制作をしている人でも、コード進行を決めてゆくだけでアレンジのイメージを素早く形にすることができるので、持っていてかなり重宝します。
2023年12月に、AI MIDIジェネレーター「InstaComposer 2」の記事を追加して、ページを大きく更新しました。
コード入力対応オススメ統合型DAW
市販レベルでの作曲からミックス・マスタリングまででをこなすのが、DAWソフトでは当たり前の世界になっています。
そのDAWソフトの次世代のキーワードは「AI搭載」ですが、その前の世代のキーワードの一つが「コードトラック搭載」でした。
主要DAWのなかでSteinberg「Cubase」がコードトラックを搭載しましたが、PreSonusが2018年05月に「Studio One」がバージョン 4でコードトラックを搭載して、シェアを確実に伸ばしました。
Studio One / PreSonus
PreSonus「Studio One」がバージョン 4 でソングのキーやコード進行を指定する待望のコードトラックを新機能として搭載しました。
フラッグシップの「Studio One Professional」で搭載されたコードトラックはたアレンジトラックと同じ場所に配置して使用し、MIDIデータやオーディオのフレーズからコード情報を自動で抽出します。
それをもとに自分で「コードセレクター」からコードを選んでコード進行を指定することもできます。
コードトラックで作ったコード進行はハーモニー編集の機能で、ソング内のMIDI / オーディオデータを追従させて和声を合わせることができます。
メジャーコードをマイナーコードに、マイナーコードをメジャーコードに変換することができるStudio One のハーモニー編集の機能の精度もなかなかのものです。
現在、最新バージョンは「Studio One 6」ですが、オーディオデータをコードに追従させる機能は、コードトラック搭載した当時よりも精度が上がっています。
Cubase / Steinberg
コード入力対応のDAWで大本命は2012年のバージョン 7 でコードトラックを搭載したSteinbergの「Cubaseシリーズ」です。エントリー版やバンドル版でもコードトラックが搭載されています。
かなり多機能なので、個人的にまだ完全にはコードトラックを使いこなしてない気がしますが、コードトラックでの変更を各トラックに自動的に反映させることができるので重宝しています。
MIDIパターンをドラッグすると、勝手にコードに合わせてくれるのもポイントの優れものです。
Windowsで圧倒的なシェアを持つ「Cubase」は、しっかりしたガイドブックも多数販売されていますので、コードトラックを抜きにしても長い目で見て、ずっと使い続けることができるDAWです。
個人的にはYAMAHAの生産を完了した「XGworks ST」が、YAMAHAの子会社になったSteinbergの「Cubase」のコードトラックに活かされているのかな?とも思いました。
現在、最新バージョンは「Cubase 13」ですが、バージョン 12で、Studio Oneと同様にMIDIからのコード検出だけでなく、オーディオからのコード検出ができるようになりました。
ABILITY / INTERNET
INTERNETの「ABILITY」はオートアレンジ機能など音楽制作の支援機能が魅力の上位版の「Singer Song Writer」の後継の国産DAWソフトです。
膨大に収録されているMIDIフレーズデータはコード進行にあわせて展開してくれるので、時間を掛けることなく、スピーディーにトラック制作をすることができます。
コード進行素材、メロディ付きコード進行素材も収録しているDAWソフト「ABILITY」は進化を続けていて、特に最上位版の「ABILITY Pro」はエフェクターやソフトシンセも充実しています。
ABILITY には、音楽理論を持っていなくても、正確なコード進行の設計を支援してくれる、約400種類のコード進行素材、約300種類のメロディー付きコード進行素材を収録する「CHORD PAD」があります。
楽曲のキーと、現在指定しているコードを基準にして、次に続くコードや、音楽理論上使えるコードを、「CHORD PAD」は、コードの種類や度数ごとに提示してくれます。
スピーディーにオーディオと MIDI を統合した楽曲を組み立てることのできる、このソフトはトータル的に見ても個人的には、もう少し評価されてもよいDAWソフトだと思います。
現在の最新バージョンは2023年12月07日にリリースされたスタンダード・エディション「ABILITY 5 Elements」と最上位エディション「ABILITY 5 Pro」の2つのラインナップです。
コード入力対応のパートナーとして最適なDTM
メインDAWとしての役目は無理ですが、「Singer Song Writer Loops」「Band-in-a-Box」はパートナーとして使えるコード入力対応のDTM・DAWソフトです。
Singer Song Writer Loops / INTERNET
2017年01月に「MIXTURE」の後継バージョンとなる「Singer Song Writer Loops」がリリースされました。
楽器を弾くことができなくても、「選ぶ、配置する、繰り返す」の3ステップのマウス操作で、約70ジャンルの」あらかじめ用意されているフレーズ & コード進行素材を並べてオリジナル曲を手軽に制作することができるのが「Singer Song Writer Loops」です。
サウンドも向上した「Singer Song Writer Loops」には、使用する範囲の設定が可能な4,000種類のAUDIOフレーズ素材(ACIDファイル)と、3,400種類のMIDIフレーズ素材が収録されています。
また730種類のコード進行素材をあらかじめ収録していますので、音楽の知識がない人でも本当に簡単にバックトラックを制作することができます。
Band-in-a-Box / PG Music
メロディーに自動でコード進行をつけたりすることもできる、この分野の老舗的な存在の PG Musicの「Band-in-a-Box」は主要DAWソフトと連携させることにより、かなりのレベルの音楽制作ができます。
イメージとしては「Band-in-a-Box」にコード進行を入力してバックトラックを作り、それをDAWに読み込んでから、ボーカル・レコーディングやオーディオ編集、ミックスダウンをDAWソフトで行うという感じです。
最新バージョンは2022年にリリースされた「Band-in-a-Box 30」となりますが、プロユースDAWソフトのパートナーソフトとしても使えます。
InstaComposer 2 / W. A. Production
MIDIジェネレータープラグインなので、DAWソフト内で立ち上げることとなりますが、W. A. Productionの「InstaComposer 2」は、ワンクリックで、さまざまなジャンルやスタイルのメロディー、リズム、ベース、パッド、コード進行を無限に呼び出すことができます。
新たな時代の到来を感じさせるAI(人工知能)を使用していて、最大6トラックのMIDIフレーズを生成することができます。
インターフェイス内で「InstaComposer 2」は、MIDI を直接編集、変更することができ、MIDI ファイルをエクスポートすることも、DAW にドラッグ & ドロップすることもできます
生産完了したコード対応のDTMソフト
MIXTURE / INTERNET
ループ素材や伴奏パターンを試聴して、自分の気に入ったモノを選んで、組み合わせるだけで音楽制作をすることができる「MIXTURE」は、1曲分のコード進行を自動生成してくれる「コード自動生成機能」がセールスポイントでした。
もちろん、任意でコードを入力することもできますので、自分でにコード進行を決めることも、楽譜に載っているコード進行をそのまま入力することもできます。
XGworks ST / YAMAHA
曲、アレンジ、表情付けなどの「制作支援機能」を装備する YAMAHA「XGworks ST」は、ロングセラーのDAWソフトでしたが2008年3月に生産を完了させました。
XGworks STは搭載されている「作曲支援機能」と「表情付け支援機能」で、初心者でも気軽に音楽制作をすることができました。