Cubase 7の新機能 – コードトラック搭載 & VariAudio搭載

Cubase ヒストリー

個人的には『MIPA Award』が開催される前後の03月にニューバージョンが発売されるイメージの強いSteinbergの『Cubase シリーズ』ですが、2012年11月に最新バージョンの最上位版『Cubase 7』とミッドレンジ版『Cubase Artist
7』が発表され12月に発売されました。

2012年03月に『Cubase 6.5』が登場したばかりなので、予想していたよりも、かなり早いバージョンアップとなりました。

最優秀賞は逃しましたがSteinberg『Cubase 7』は『MIPA Award 2013』の「Recording Software 部門」にノミネートされました。

Cubase 7の主な新機能

DTM・DAWソフトが次の次元へ

Cubase 7/Cubase Artist 7気になる最新バージョン 7では「コードトラック搭載」「VariAudio 2.0にバージョンアップ」「Voxengo Curve EQ搭載」「ソフトシンセに豊富なサウンドを追加」「新しくなったミキサー MixConsole」など、DTM・DAWソフトが次の次元に突入したことを感じさせる機能強化が『Cubase7』と『Cubase Artist 7』では行われています。

また機能とは関係ありませんが前バージョンまでは遠目だと区別が付きづらかった最上位版とミッドレンジ版のパッケージ・カラーも最上位版『Cubase 7』がブラックになったため分かりやすくなりました。

注目の新機能だけをピックアップしても1ページではとても紹介しきれないので、ここでは数ページに渡り『Cubase7』の個人的に気になった新機能を紹介したいと思います。

その他のCubase 7の新機能

ここで紹介した以外にもインターネット経由での世界中のユーザーとコラボレーションがすることができる「VST Connect SE」や、「ASIO-Guard」によりレコーディング中の安定性やCPU効率をが更に高まる機能が追加されています。

またEBU R128 規格準拠のラウドネスメーターが最上位版の『Cubase 7』のみに搭載されました。

コードトラック搭載 & VariAudio 2.0

今回の『Cubase7』へのメジャーアップグレードでは魅力的な様々な機能強化が行われています。その中でも最も目を引くのが、何といっても「コードトラック」を新機能として搭載したことです。搭載された「コードトラック」とバージョンアップしたボーカル編集ツール「VariAudio 2.0」連携は便利の一言に尽きます。

コードトラック搭載

Cubase 7 コードトラック今まで『Cubase シリーズ』を愛用してきたユーザーが、バージョン 7の画面のコード表示を見たときに「今までと何かが違う」というのが一目瞭然だと思います。

このコードトラックはマウス操作だけでなく、MIDIキーボードでもコードを入力することのでき、変更したコードは各トラックに反映させることができます。

また、MIDIはもちろんもことバージョン 7で機能強化された「VariAudio2」で解析したオーディオトラックにもコードボイシングを適用することができます。

そのため作曲・編曲支援ツールとしてはもちろんのこと、ボーカル・トラックからコーラスパートを生成するのにもコードトラックは活躍しそうです。

尚、最上位版の『Cubase 7』のみの機能となりますが、コードアシスタント機能もありますので、編曲のときにコード進行を上手く決めることのできない音楽制作ビギナーの方にも重宝すると思います。

VariAudio 2.0

Cubase 7「VariAudio 2.0」バージョン 5で搭載されたボーカル編集ツール「VariAudio」が2.0にバージョンアップにしました。前述した「コードトラック」との連携により曲のハーモニーに合ったピッチ補正をすることができるようになりました。

レコーディングされたボーカル・トラックから「ソプラノ」「アルト」「テナー」「バス」などのハーモニー・バリエーションを簡単に生成することもできるようになっています。

また、ひとつのエディター画面で複数トラックを閲覧&編集することができるようになっているのも「VariAudio 2.0」の大きな進化です。これはハーモニーを含むボーカル・トラック全体を見ることができるため本当に便利で、質の高いハーモニーパートの作成時間が、エディット効率のアップのおかげで、かなり短くなります。

尚、「VariAudio 2.0」は『Cubase 7』にのみ搭載されています。

追加プラグイン・エフェクト & サウンドライブラリ

最上位版の『Cubase 7』には新規プラグイン・エフェクトとして「Voxengo CurveEQ」がバンドルされました。またソフトシンセマルチ音源の「Halion Sonic SE」とドラム音源「Groove Agent ONE」に豊富なサウンドが追加されています。

追加されたプラグイン・エフェクト

Cubase 7「Voxengo CurveEQ」バージョン 7では、どうしてもコードトラック搭載などに目を奪われてしまいますが、今バージョンでバンドルされたプラグイン「Voxengo CurveEQ」はフリーハンドで自由にEQカーブの設定ができてしまうだけでなく、すでに生産を完了したTC Electronic『PowerCore』の専用プラグイン『ASSIMILATOR』的な使い方もできてしまうので、かなり強力です。

と言うよりも『ASSIMILATOR』の遥かに上を行く機能を持つ多機能EQです。

簡単に「Voxengo CurveEQ」を説明すると再生中に「スペクトラムエディター」で解析したリファレンス・トラックの周波数特性をセーブして、別のトラックに、その解析したEQカーブ適用することができてしまいます。

そのためターゲットとなる市販されているリファレンス楽曲のEQカーブを保存して、ミックスダウン時のマスタートラックやマスタリング時に適用すれば、ミックスが不得意な方の2ミックスの質感は、かなり良くなります。

もちろんマスタートラックだけでなく、各トラックにも「Voxengo CurveEQ」は使用することができます。

また、『Cubase Artist 7』は「チャンネルストリップ」のみの搭載ですが、最上位版の『Cubase 7』にはマスタリング・リミッター「Brickwall Limmiter(ブリックウォール・リミッター)」が標準搭載しています。

この「Brickwall Limmiter」については「T-RackS シリーズの特徴」でも簡単に説明していますが、音を歪めることなくオーディオレベルを最適化することができる使えるプラグインです。

ソフトシンセに豊富なサウンドを追加

Cubase 7「Halion Sonic SE」2011年03月に登場した『Cubase 6』で搭載されたソフトシンセ「Halion Sonic SE」と「Groove Agent One」にサウンドが豊富に追加され、前バージョンよりもライブラリーがかなり強化されています。

マルチ音源の「Halion Sonic SE」には、アコースティックサウンドからからシンセサウンドまで300種類の音色を収録した「Hybrid Expansion」が追加されました。

また2,000種類を超える豊富なMIDIループ素材が『Cubase 7』で新たに搭載されましたが、このMIDIループ素材は呼び出すと自動的に「Halion Sonic SE」の音色を割り当ててくれるので、即使うことができます。

ドラム音源「Groove Agent ONE」は新規ドラムキット30種類とAllen Morganによる150種類の MIDIドラムループが追加されました。

MixConsole & チャンネルストリップ

操作性の向上した新しくなったミキサー「MixConsole」と音質のクオリティーを高めた「チャンネルストリップ」は『Cubase 7』と『Cubase Artist 7』のバージョンアップの特筆すべき点です。

MixConsole

Cubase 7「MixConsole」バージョン 7で名前も変わり完全に新しく生まれ変わった『Cubase』のミキサー「MixConsole」は操作性が大きく向上し、今までよりもミキシング作業に集中することができるようになる数多くの機能が搭載されています。

ミキサー画面のサイズを自由に変更ができたり、確認する必要があるチャンネルやパラメーターに焦点を合わせることができるので、ノートから大型ディスプレイまで、ユーザーの作業環境に合わせてミキシング環境をセットアップすることができます。

チャンネルストリップ

Cubase 7「チャンネルストリップ」大きく強化されたオマケのレベルではないエフェクターで構成される「チャンネルストリップ」は音質が向上しています。

構成されるエフェクターはスペクトラムアナライザー(スペアナ)を備えた「4バンド パラメトリックStudioEQ」、スタンダード/ビンテージ/チューブの「3種類のハイエンドコンプレッサー」、サウンドに温かみを追加することのできる「テープ&チューブサチュレーション」、「Brickwall Limmiter(ブリックウォール・リミッター)」を含む「3種類のリミッター」などです。

カントリー、ロック系、ポップス系を手がけるプロデューサー Allen Morgan による150のプリセットも搭載しています。

Cubase 7の評価
強力な音楽制作ツールとして大きく進化した『Cubase 7』をススメない理由というのは見当たりません。最上位版『Cubase 7』とミッドレンジグレード『Cubase Artist 7』がありますが、直輸入版もありますので迷わずに最上位版のほうを選びましょう。

直輸入版でも日本語が使えますし、2013年01月31日よりSteinberg japanのサイトで『Cubase 7』の日本語マニュアルをダウンロードすることができるようになっています。

Cubase シリーズの詳細スペックと最安値情報

タイトルとURLをコピーしました