2009年にMOTU「Digital Performer」のバージョン 7が登場しました。今回のバージョンでは、ギター用のエフェクターをはじめとする多数の新たなプラグイン・エフェクト搭載が目玉です。
また、DPユーザーから寄せられたリクエストを元に、操作性やパフォーマンスを見直した上で、様々な改良が行われ、より使いやすい音楽制作ソフトになったのも注目点です。
Digital Performer 7の注目の新機能
ギター用のプラグイン・エフェクト
DPのバージョン 7でアンプシミュレーター「Custom ’59」、スピーカーキャビネット・シミュレーター「Live Room | G」、ギター用の「コンパクト・エフェクター」が新しく追加されました。
今回搭載されたギター用のプラグインはすでに、サードパーティー製の他社のギター用のプラグインを使用している方には、あまり魅力的に写らないかもしれません。
しかし、今まで、このサイトでも「Digital Performer」に付属するギター用のプラグインは使い物にならないと書いてきた通り、ギターのサウンドメイクに必須のプラグインが弱かったので、バージョン 7で搭載されたアンプシミュレーターをはじめとするギター用のプラグインは、新たなDPユーザーの獲得には、かなり有効だと思います。
Channel Strip
音楽の編集作業中は様々なトラックのパラメーターを動かすので、ウィンドウが次々と変わりますが、「Channel Strip(チャンネル・ストリップ)」は、どのウィンドウにいても、編集中のトラックを、常に追いかけて表示してくれ、作業中のトラックの全ミキサー設定を操作することができます。
もちろん、単独のウィンドウとして、それぞれのトラックを独立させて表示することも可能です。
Inline EQ & dynamics
ミキサーの各チャンネルに「Digital Performer」の「マルチバンド・グラフィック EQ」と「ビンテージ・ダイナミクスプラグイン」が搭載されました。各メーターを一望することができるだけでなく、操作をすることもできます。
この「Inline EQ & dynamics」はDPでは定番のプラグイン・エフェクト「MasterWorks シリーズ」、イギリス製コンソールを忠実にモデリングした「マルチバンド EQ」、伝説の名機「Teletronics LA-2A」をモデリングしたコンプレッサー・リミッター「leveling amplifier」を使用することができます。
リアルタイム・クロスフェード
バージョン 7 では、フェードとクロスフェードがリアルタイム演算により編集中でもスムーズに再生される改良が行われています。
前バージョンまでだと、ハードディスクへフェードが利用するファイルが作成されていましたが、バージョン 7 では、ハードディスクへフェードファイルを作成することはありません。
また、旧バージョンのDPで作成されたプロジェクトに含まれるフェードは、DP7で開くと自動的にリアルタイムフェード/クロスフェードへと変換され、不要になったフェードファイルはディスクから削除してもらえます。