初心者のための宅録スタジオ・ガイド – はじめての自宅音楽スタジオ

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音楽制作をこれから始めようとする初心者の人のために宅録について詳しく紹介している「初心者のための宅録スタジオ・ガイド」では、「宅録って何?」「宅録スタジオでできること」「ボーカル録音の環境を整える」「しっかりとした宅録環境は必要か?」などを解説しています。

サイト公開時の2008年から人気のあった「初心者のための宅録スタジオ・ガイド」を2023年11月に更新しました。

2016年に一度記事を追加してから、約7年ぶりとなる今回の更新では、4ページをこの1ページにまとめました。

宅録って何?

宅録とは自宅録音の略称

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宅録とは自宅録音の略称で、自宅などのプライベートなスタジオでレコーディングをすることです。

もちろん広い部屋でも、4 〜 6畳程度の部屋でも、広さに関係なく立派な自宅録音スタジオです。

一昔前の宅録スタジオだと、数台のシンセサイザーや、その他の機材で部屋のかなりのスペースが音楽機材で占有されていました。

しかし、現在の宅録スタジオは、アナログ機材であったりハードウェア機器への強いこだわりがない限りは、パソコンとDTM・DAWソフトを使用したレコーディングが中心になっているため、省スペースで宅録スタジオを作ることができます。

低予算で高音質の宅録システム

DTM・DAWソフトが普及する前の自宅スタジオで行う宅録というのは、あくまでもプリプロレベルの作品でした。

自宅で制作したプリプロを基にレコーディングスタジオで、レコーディングを行うというスタイルが多かったです。

現在は時代が大きく変わり、最近では手軽に昔では考えることができないくらいの低予算で、パソコンとDTM・DAWソフトを中心としたしっかりとした、高音質の宅録システムを組むことができます。

ネット環境も整い自分の楽曲をオンラインで手軽に配信することができる時代になり、宅録スタジオで完パケ(完全パッケージ)まで制作するケースも増えています。

当時はこのような時代が来るとは思いませんでしたが、現在はプロ、アマ問わずに、ミュージシャン各個人で、プライベートで自宅スタジオを構えるのが当たり前となってきています。

宅録スタジオでできること

DAWでの音楽制作がスタンダード

このサイトへ訪れた人も「パソコンですごい音楽が作れる!」というのを何らかで知って訪れたのだと思いますが、現在はパソコンとDAWソフトが宅録スタジオの中心になっています。

パソコン上で音楽制作をすることを指した「DTM(デスク・トップ・ミュージック)」という言葉のほうがなじみのある人が多いと思いますが、DAWとはデジタル・オーディオ・ワークステーション(Digital Audio Workstation)の略称で、「ダウ」もしくは「ディーエーダブリュー」と呼ばれています。

作曲、編曲、打ち込み(プログラミング)だけでなく、デジタルでボーカルやギター、ベースなどのオーディオの録音、編集から、ミックスダウンや、マスタリングなどの作業をすることができるオールインワンのシステムがDAWです。

オーディオを取り扱えないソフトだと難しい

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DTMとDAWのどちらの呼び方でも、それほど大きな問題ではありませんが、オーディオを取り扱えないDTMソフト単体だけで宅録スタジオを構築することは、かなり難しいです。

ただ、かつてはDTMソフトのなかには、オーディオを取り扱えない音楽制作ソフトも存在していましたが、現在はオーディオを取り扱えないソフトは、あまり見かけなくなりました。

ほとんどの音楽制作ソフトがDAW化して、オーディオを取り扱うことができるようになっています。オーディオ機能を搭載しないDTMソフトのほうが珍しくなっています。

サウンドクリエーターの必須スキル

DTM・DAWソフトを使用すれば、宅録スタジオで作曲、編曲、歌や楽器のレコーディングだけでなく、ミックスダウン、そして楽曲制作の最終工程であるマスタリングまで行うことができます。

同時に「宅録スタジオでできること」は現在のプロのサウンドクリエーター(作編曲家)の必須スキルとなっています。

もちろん仕事の規模の大きさにもよりますが、自宅スタジオで完パケレベル、もしくは完パケまで制作してしまうことも少なくありません。

昔だと機材の差を言い訳にすることができましたが、DAWという観点だけで見ると現在はプロとアマの機材差は、ほとんどないと言っても大袈裟ではありません。「サウンドクリエーター = 音楽制作ツールは揃っていて当然」という感じです。

ただし、プロとアマの大きな機材差は、ほとんどなくなりましたが、自宅スタジオでもモニター環境に大きな差があります。

ヘッドホンは良いとしても、住宅の防音の関係などあり、モニタースピーカーはどうして差がついてしまいます。

ボーカル録音の環境を整える

デモ音源の説得力

現在は誰でもお金を掛けずに自宅録音の環境を整えることのできる時代であるということを「宅録って何?」で書きました。

少し例えが変ですが「一般の人がファミコンと最新のゲーム機が同じ値段で売っていたらどちらを購入するか?」と同じで、すでに鼻歌、ラジカセやスマホのまえで弾き語りなどで録音した程度のデモ音源には、あまり説得力がないことは言うまでもないことです。

少し前の記事になりますが「デモ音源をチェックしよう」で、もう少し詳しくこの辺のことを書いていますので、目を通しておくとオススメします。

尚、X(旧ツイッター)や、YouTubeなどにカラオケで歌った動画をアップしている人が、いまだに、かなりいますが、著作権違反で論外です。

X(旧ツイッター)は、JASRACとも、NexTone(ネクストーン)とも契約していませんので、著作権のある楽曲のアップ自体がNGです。

YouTubeはカバー曲はOKですが、カラオケ音源はカラオケを制作した会社が著作権を持っています。

著作権違反に気づかずにアップしている人は、音楽関連の人たちから白い目で見られています。

まともな会社やクリエイターは、そんな音源は聴きませんし、声を掛けることなどはありません。

マイクを中心の録音環境

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ボーカル志望の人はサウンドクリエーターと同等の高度な宅録環境を構築する必要はないと思いますが、最低限の録音環境は整えておくことをオススメします。

なぜなら、ボーカル志望の人はDAWソフトとマイクを中心に、ある程度しっかりとした宅録環境を構築することは、自分で作曲、編曲、ミックスダウン、マスタリングができなくても可能性が広がってゆくからです。

ネットでサウンドクリエーターと出逢い、歌のデータをやりとりすることにより、運がよければ、しっかりとした市販レベル近く、もしくは市販レベルのデモ音源を制作することができるので、宅録環境を整えるメリットはかなりあると思います。

仮歌の仕事ができる

また、最近ではオンラインでの自宅ですることのできる仮歌の仕事などもボーカリストの人にはあり、そこから次につながる可能性もありますので、最低限の宅録環境を、しっかりと整えておくことをオススメします。

一般的な自宅スタジオに最適なマイクのことや、一緒に揃えておきたいツールなどは「歌録音用のマイク – はじめての宅録ツール」で、もう少し詳しく書いていますので、そちらを参照して下さい。

ボーカル志望の人はサウンドクリエーターと同等の宅録環境を構築する必要はないものの、DAWソフトとマイクを中心にツールを揃えるメリットがあることは、わかってもらえたと思います。

しっかりとした宅録環境は必要か?

初期出費は必要

自宅スタジオで行う宅録環境を整えると、パソコン、DTMやDAWソフトの他にも、プログラミング(打ち込み)用のMIDIキーボード、ソフトシンセなどの音源、オーディオインターフェイス、ヘッドホン、モニター用のスピーカー、マイクなど、低価格になったとは言っても、パソコンから揃えれば、やはり、それなりの出費は必要だと思います。

すでにパソコンを持っている人でも、宅録環境を整えるとなると、数万円の出費は必要となってきます。

DTMセット製品を視野に入れる

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最近はお得なDTMセット製品などもあり、ハードルはかなり低くなっていますので、それほど金額に関しては気にする必要はないかもしれません。

MIDIキーボードや、オーディオインターフェイスに、あらかじめすぐに音楽を始めることのできるソフトがバンドルされていたり、BTOパソコンもスタンダードになり価格が安くなりましたので、少ない初期出費でも、ある程度、しっかりとした宅録スタジオの構築ができると思います。

Focusrite、「Studio One」の PreSonus、「Cubase」の Steinbergなどの一流メーカーから、DAWソフト、オーディオインターフェイス、コンデンサーマイク、ヘッドフォン、ケーブル類がワンパッケージになっている製品が販売されていますので、それらのDTMセット製品なども視野に入れるとよいです。

初心者にオススメのDTMセットの詳細 & 価格情報

宅録スタジオの必要ない人

鼻歌や弾き語りで作曲している方で、その状態で満足している人や、レベルの高い作品クオリティーを求めていない人などは、宅録スタジオを構築する必要はないです。

また、レベルの高い作品クオリティーを求めていて、知人、友人で、周りに形にしてくれるアレンジャー(編曲家)などがいる人、アマチュアの発注も受けている音楽制作会社を利用していて自分の望むレベルの作品になっている人などは、宅録スタジオを作り、DAWやDTMのような音楽制作ツールを無理に導入する必要はないと思います。

宅録スタジオの必要な人

上記した「宅録スタジオの必要ない人」に該当しない方で、レベルの高い作品クオリティーを求めている人、自分の作品を誰かに認めてもらいたいという人、音楽制作会社に頼むと高いという人などは、宅録スタジオを構築を検討する価値があります。

宅録スタジオの必要な人で、何を揃えればよいのかがわからない人は、「はじめての宅録ツール」で、必要なツールを、かなり詳しく解説していますので、ぜひ参考にして下さい。

サイト公開時はDAWソフトのページの人気が高かったのですが、現在はモニタースピーカーや、モニターヘッドホンのページの人気が高くなっているので、宅録スタジオでの作品レベルが、すごく上がっていることを実感しています。

初心者にもわかりやすい宅録ツール

はじめての宅録ツール

パソコンでハイクオリティーな音楽制作をしたいと思っていても、実際に何を揃えたら良いのか分からないという人も多いと思います。そのような人たちに参考になるように、このコンテンツでは宅録スタジオの中核であるパソコンとDTM・DAWソフトをはじめとするDAWシステムを構築するのに欠かすことの…

はじめての宅録ツールへ

はじめてのシンセサイザー – DAWとの連携

はじめてのシンセサイザー
初心者がはじめて購入するシンセサイザーとして人気あるヤマハ、ローランド、コルグの3大メーカーのシンセをパソコンやDAWソフトとの連携のことも含めて紹介しています。

現時点では、パソコンと連携した音楽制作を考えていない人もいるかもしれませんが、バンドなどをやっていて上達してくると間違いなく作品として残したくなり、宅録のことを考えるようになります。

3大メーカーのビギナー用の人気シンセは価格は安いですが、DAWソフトのキーボードとしても機能しますので、長い目で見たときに、パソコンと連携も視野に入れて選ぶことがオススメです。

はじめてのシンセサイザー – 人気のヤマハ・ローランド・コルグの比較へ

ボーカリストに特化した宅録ガイド

近年、iPhoneやiPadをはじめとするモバイル端末の普及により、今まで宅録と縁のなかった人も手軽にボーカル録音をすることができるようになりました。

すでに自分の歌を投稿サイトなどにアップしているボーカリストの方も多いと思いますが、周りと差をつけるために「もっとクオリティーアップしたい!」という人も多いと思います。

実はiPhoneやiPadはこのサイトでは取扱う気はなかったのですが、低価格スタジオ・マイクの定番を使用しなくても高音質で録音できるようになり時代は大きく変わりました。

そのため、需要がありそうでしたら、このサイトでもボーカリストに特化した宅録ガイドを公開しようと考えています。

iPhoneやiPadに対応した宅録ツールのピックアップ & テストも終了していますので、有益な情報を提供することができると思います。

まだマイクやアプリなども試しましたが、想像していた以上のクオリティーの高い音質でボーカル録音をすることができます。

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