Studio Oneの歴史と定番DAWへの道のり

〜PreSonusのDTM・DAWソフト〜

2009年の誕生したPreSonusのDAWソフト「Studio One」は、間違いなく日本国内でも定番の音楽制作ソフトとなりました。

知名度では長いあいだ「オススメの定番ソフト」として紹介される定番ソフト「CUBASE」と並んだと言っても間違いないでしょう。

2018年リリースのバージョン4では、さらなる進化を遂げましたが、ここでは「Studio Oneの定番DAWへの道のり」に着目して、ターニングポイントなどを書いてゆきたいと思います。

順調にシェアを広げるStudio One

Studio One 2.5でMIPA Award 2013を受賞

Studio One 2.5

2009年の誕生した「Studio One」は、定番の音楽制作ソフト「CUBASE」やポストプロダクション用ソフト「NUENDO」を開発したヴォルフガング・クンドゥルスを中心にして作られたDAWソフトです。

作曲、編曲、トラック制作、ミックスダウン、マスタリングまでを「Studio One」のみで完結させることが可能です。

現在は間違いなく定番のDAWソフトですが、ターニングポイントがあるのであれば「Studio One 2.5」で『MIPA Award 2013』の「レコーディング・ソフトウェア(Recording Software)部門」の最優秀賞を受賞したことが大きいです。

当時の主要DAWソフトと比較して優れたDAWソフトであっても歴史が浅い『Studio One シリーズ』で圧倒的に弱かったのはメジャー感です。

すでに定番となっていた他社のDAWソフトと同じ機能を搭載しただけでは、ユーザーの獲得をすることができないのは誰でも理解することができます。

しかし、このMIPA受賞により、知名度で肩を並べたとまでは言いませんが、ユーザーに対して優れたDAWソフトであることは証明することができました。

購入までいかなくても、新バージョンがリリースされたときや、キャンペーン時などは「Studio One」の情報を収集したりするなど、気になる存在のひとつになったことは間違いないです。

はじめてのDAWがStudio One

Studio One Artist Piapro Edition

「次世代のDAWソフト」をキャッチコピーにして、人気ボーカロイド「初音ミク」でお馴染みのクリプトン・フューチャー・メディアのVOCALOID 4にライト版「Studio One Artist」をバンドルするなど、バージョン3では、日本国内でも、さらに多くのユーザーを「Studio One」は獲得してゆきました。

当時はVOCALOID 初音ミクを使いたくてDTMの世界に乗り出した人もいますので、初めての手に入れたDAWが「Studio One」という人も少なくないでしょう。

尚、クリプトン・フューチャー・メディアのボーカロイドにバンドルする「Studio One」の正式名称は「Studio One Artist Piapro Edition」で、初音ミクなどのボーカロイドにバンドルするボーカロイド用のボーカルエディター「Piapro Studio」との連携もスムーズに行なえます。

最上位版でもWindowsでは価格が他の主要DAWよりも安かったこともありますが、販売店も含めて不思議なくらいに「これからDTMを始める人はStudio One」みたいな流れができあがっていましたので、DTMエントリーユーザーの獲得は順調だったと思います。

Studio Oneの乗り換え組ユーザーの獲得

しかし歴史の浅い「Studio One」が「乗り換え組ユーザー」の獲得に関しては、それほど上手くゆくはずがありません。

それは、すでに制作手法を他のDAWで確立したユーザーが、余程の理由がない限り他のフルバージョンのDAWに乗り換えるはずがないからです。

最上位版のDAWは作曲、編曲、トラック制作、ミックス、マスタリングなどできることはある同じですが、操作性などは相性があり、相性が悪いソフトはストレスの大きな原因となります。

日本でも実際に「Studio One へ乗り換えたプロの話」をメーカーのホームページに乗せていますが、明らかにセールストークも入っているので、今まで確立した制作手法を変えるのには、はっきり言えば弱いです。

キャッチコピーの「Studio One が次世代のDAWソフト」であることがわかるのは、あるていど長いあいだDAWで音楽制作をしてツールとして使いこなしている人間だけです。

初めてのDAWがボーカロイドにバンドルするライト版の人に「何が次世代」なのかわかるはずはありません。


 

Studio OneとSONAR消滅

SONARの消滅時のPreSonusの動き

SONAR開発中止

そんな中、乗り換え組ユーザー獲得の一世一代の大チャンスが訪れました。まだ記憶に新しいですが、その大チャンスは2017年11月の「SONAR開発中止Cakewalkブランド消滅」です。

本当に突然の開発中止という知らせでしたが、開発中止ということは、SONARは今後進化しないということです。

スタンダードになってゆくことは間違いのなかった「コードトラック」にしてもまだ搭載されていませんでしたし、使用環境によるものかもしれませんが、小さなバグや致命的とも思われるバグもSONARにはかなりありました。

ユーザー視点でSONAR自体が完成したソフトとは呼べませんでしたので、進化しないということは、他のフルバージョンのDAWに乗り換える「余程の理由」に該当します。

勝負所と判断したPreSonusの動きは非常に早く、SONARをライバルソフトであったことを認めた上で、かなり安い金額でSONARユーザーを対象としたStudio Oneへの「救済クロスグレードキャンペーン」を開始しました。

Studio OneはSONAR消滅でシェアを広げた

救済とは言え、最上位版のDAWをあの価格で購入できることは、今後ないのではないか?思える安い価格でした。

また、SONAR愛用者に向けた、PreSonus代表の言葉も非常に好感の持てるものでした。

しばらくしてから「CUBASE」も「救済クロスグレードキャンペーン」を行いましたが、救済と呼ぶには価格が「Studio One」の2倍位以上で、傷心のSONARユーザーにあまり良いイメージを与えなかったのではないか?というのが正直なところです。

もともと「SONARユーザー」は当時はライバルソフトだった「CUBASE」と充分に比較した上で「SONAR」を選択していますので、3万円を越える金額だとCUBASEへ移行する決断は敗北感があるため難しいです。

とにかく「Studio One」が「SONAR開発中止Cakewalkブランド消滅」で、欲しかった「乗り換え組ユーザー獲得」に一定の成果を出し、シェアを広げたことは間違いありません。

現在「SONAR」も名称を変更して存続していますが、今後、長い間「SONAR」を愛用してきたユーザーの期待に応えるようなアップデートを望むことは難しい気がします。

長い目で見たときに「SONAR開発中止」は「Studio One」の大きなターニングポイントになるはずです。

コードトラックを搭載するStudio One 4登場

Studio One 4

取り込んだ「SONAR ユーザー」を確実な「Studio One ユーザー」にする必要があるなか、2018年05月に「Studio One 4」が登場しました。

中途半端なアップデートなら、乗り換え組の大半は「Studio One 3」からのアップデートはしないことはメーカーのほうでも充分に承知しています。

メーカーはボランティアでやっているわけではありませんので、アップデートして使い続けてもらわないと「救済クロスグレード」をやった意味があまりありません。

「Studio One 4」では、SONARユーザーが欲しがっていた「コードトラック」も搭載するとともに弱いと言われ続けているMIDI周りも強化されています。

SONARユーザーに限らず、コードトラック目当てで「CUBASE」を選択していたユーザーもたくさんいますので、「Studio One」が購入対象になるのは当然です。

殿様商売をしていた Steinberg & YAMAHAも2018年11月リリースの「CUBASE 10」で価格を落として来ました。それが何を意味しているのか外部の人間でも、おおよその想像はできると思います。

2019年時点で一番勢いのあるDAWソフトは「Studio One」で間違いありません。わたしは長い間DAWサイトを運営をしているので「CUBASEの天下は終わった」と判断することができます。


 


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Studio Oneの歴史と定番DAWへの道のり(公開日:2019年01月08日)

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