United Plugins「MasterMind」 – 半自動のマスタリング・プラグイン

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音楽配信サービスや、動画サービスなどでラウドネスノーマライゼーションが使用されるようになり、音圧競争は終わったと言われていますが、CDであったり、Amazon Music などのハイレゾ音源対応の音楽配信サービスでは、音圧レベルはさらに上がっています。

United Pluginsが発売している Soundevice Digital が開発した「MasterMind」は、EQ をリファレンス・トラックと一致させるなど、半自動で市販レベルの音圧を余裕で稼ぐことのできる非常に優秀なマスタリング・プラグインです。

MasterMindの特徴

簡単操作で高品質のマスタリング

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マスタリング・プラグイン「MasterMind」には「Match」「Stereo Width」「Optimizer」「EQ」「Limiter」の調整可能な5つのセクションがあり、別のプラグインを追加することなく、簡単操作で高品質のマスタリングをすることができます。

AI によるサポートはありませんが、アタックタイムや、リリースタイムなど、初心者の人がつまずきやすかったり、理解できずに断念してしまうパラメーターを設定をする必要がありませんので、操作は誰でも簡単に覚えることができます。

Match – マッチングEQ

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追加プラグインなしに、マスタリングを可能にするのが「MasterMind」ですが、その中心となっているのは「Match(EQ マッチング)」と「Optimize(オプティマイザー)」機能です。

最近はさまざまなEQプラグインに搭載されているので珍しくはありませんが「Match」はトラックの周波数をソーストラック(リファレンス曲)に一致させることができるマッチングEQ です。

sourceをオンにしてから、ソースとなるリファレンス曲を 5 秒間再生して、その後にオフにすると、リファレンス曲の EQ カーブを認識します。

次に各自の2ミックスを再生しているときに、your tarackを 5 秒間オンにして、その後オフにすると、MasterMind は2ミックスの EQ カーブを認識します。

source と your tarack の分析後はmatch パラメーターでマッチングのレベルを調整してゆきます。オススメとされている開始地点は、100%ではなくて20 ~ 30% です。

Optimize – オプティマイザー

MasterMind 独自の特別なアルゴリズムである Optimizer(オプティマイザー)が重要ポイントで、その技術はかなりの企業秘密のようです。

Optimizeを調整することにより、2ミックスの音を大きくするだけでなく、豊かに、より良く聴こえるようにすることもできます。

MasterMindの使用感

確かな実力を持つマスタリング・プラグイン

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MasterMindのプリセット「Good strat」を選んで、主にLIMITTERの threshold を簡単に調整しただけの状態ですが、LUFSは – 4.6 dBです。(Peak は – 1.0 dB に設定しています。)

何世代かまえのマスタリング・プラグインだと、LUFS – 4.6 dBだと、定番と呼ばれたものでも歪みが出る数値ですが「MasterMind」は、歪むことなく、まだ余裕が全然ある感じです。

この段階でUnited Pluginsの「MasterMind」の出している宣伝文であったり、キャッチコピーなどが、誇大広告ではなく、確かな実力を持つマスタリング・プラグインであることがわかります。

現在の音圧レベルに対応できる Limiter セクション

United Pluginsが「MasterMind」のセールスポイントにしているのが、マッチングEQと、Optimizer(オプティマイザー)なので、導入前にあまり着目する人はいないと思いますが、Limiter セクションは、現代の音圧レベルに対応できるクオリティーです。

言うまでもなく、マスターファイルの最終レベルをLimiter セクションで決めることとなりますが、上述した音の大きさを LUFS – 4.6 dB上げても歪まないのは、間違いなく「MasterMind」のLimiterの性能によるものだと思われます。

MasterMindのLimiter セクションのクオリティーの高さを見ると、業界定番だった「WAVES L3 シリーズ」も、音の大きさの壁を越え次の時代へ突入した IK Multimedia「Stealth Limiter」も過去の産物であると、改めて気付かされます。

WAVES L3 シリーズ - 音圧競争を終わらせたマスタリング・プラグイン
マキシマイザーの定番であるWAVESの『L3 Multimaximizer/L3 Ultramaximizer』を中心にL3シリーズを紹介しています。2014年に16バンドのマキシマイザー『L3-16』の記事を少し強化。2023年に現状のマスタリングを考えたときのWAVES L3の評価を追加しました。
Stealth Limiter - IK MultimediaのT-RackS マスタリング・プラグイン
2015年に登場したIK Multimediaのマスタリング用のプラグイン・エフェクトT-RackS「Stealth Limiter(ステルス・リミッター)」を紹介しているページです。リリース当時はRMSに焦点を合わせたときに「Stealth Limiter」は最高クラスのマスタリング・リミッターでした。

EQ セクションもしっかりとしている

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順番が逆になりましたが、最後にEQ セクションについて書いておくと、EQ はチューブによるサチュレーションをよい感じで加えることが可能です。

しかし、ローシェルとハイシェルフのみなので「MasterMind」のみでマスタリングを完結させるのであれば、中低域と中高域のEQもほしいところです。

ただ、それは「MasterMind」の前にEQを一つインサートしてあげれば、中低域と中高域の処理の問題はありません。

ここ数年は個人的に Apple EarPods 対策で、耳に付く高域を削る目的で、マスタリング・リミッターの前にTBProAudio「DSEQ 3」であったり、Oeksound「Soothe 2」などのディエッサー目的のプラグインをインサートして使用しています。

Oeksound「Soothe 2」 - 即戦力ダイナミック・レゾナンス・サプレッサー&ディエッサー
Oeksoundのダイナミック・レゾナンス・サプレッサー&ディエッサー「Soothe 2」を紹介しています。リアルタイムで不快なレゾナンス(共鳴)を自動的に検出して抑制してくれるボーカル処理やマスタリング時に活躍する即戦力プラグイン・エフェクトです。Soothe 2 は「Sound On Sound Awards 2021」のベスト・プラグインに選ばれています。

高域が削れ過ぎてハイ落ち気味になるときがあるのですが、そんな場合は「MasterMind」のEQで高域を持ち上げてあげるとよい結果になります。

EQのバンド数は少ないですが「MasterMind」は、マスタリング用に、しっかりと作られているEQなので、耳に痛くなることなく、2ミックスのハイ落ち気味を防ぐことができます。

音楽はラウドネス・ノーマライゼーションが使用されているネットでの配信だけではありませんので、音圧レベルや聴覚レベルで、まだ優位に立っておきたい人や、立っておかなくてはいけない人もいます。

そんな人や、iZotope Ozone のマキシマイザー部分に違和感を感じている人に United Plugins が発売する Soundevice Digital が開発したマスタリング・プラグイン「MasterMind」は、オススメすることのできる製品です。

バージョンアップの度に、そこそこの金額のアップデート料金を支払わなくてはいけない製品とは違い「MasterMind」は Free-for-life updates というのもポイントが高いです。

United Plugins「MasterMind」の詳細スペック & 価格情報

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