宅録スタジオ・ヘッドホン

〜失敗しないDTM・DAWのモニター選び〜

大きな音を出せないという住宅事情から、自宅スタジオでミックスダウンやマスタリングをヘッドホンだけで完結させるという人もいると思いますが、ヘッドホンを中心の作業になる人は、1つのヘッドホンだけの作業だと、他のモニターで聴いたらバランスがまったく違うということになりかねないので、最低でも2つは定番のスタジオモニター・ヘッドホンを所有しておいたほうが良いと思います。

スタジオモニター・ヘッドホンはリスニング用のヘッドホンとは違い、原音のイメージを損なわずに再現することを目的に作られています。そのためモニター用のヘッドホンは細かいノイズまで、聴き取ることができるので、使い始めの頃は、音楽を聴いていて気持が良くないと感じる人もいると思いますが、次第に慣れて行きます。

DTM・DAWを使った宅録スタジオでの音楽制作は長時間の作業です。耳の大きさは一人一人違うため、どのヘッドホンが疲れないと言い切ることはできませんが、長い時間付けていても耳が疲れないこともモニター用のヘッドホン選ぶ際には重要です。

 

2019年に個人的な音楽制作環境で使用しているスタジオモニター・ヘッドホンを変更しました。このページ「宅録スタジオ・ヘッドホン」も、そのことを踏まえて2016年以来の約3年ぶりとなるアップデートしました。(今後も記事を追加してゆきます。)

おすすめスタジオ・ヘッドホン

YAMAHAのモニター用ヘッドホン

YAMAHA HPH-MT シリーズ

2016年11月にYAMAHAはスタジオモニター・ヘッドホン「HPH-MT8」「HPH-MT5」「HPH-MT5」を発売しましたが「HPH-MT8」は、現在プロユースの世界でのスタンダードになりつつあります。

YAMAHAはモニタースピーカーのイメージが強いですが、近年では「原音忠実再生」の設計理念を掲げてヘッドホンにも力を入れていました。

2013年に発売した「HPH-MT220」「HPH-MT120」も、なかなかのヘッドホンでしたが、スタンダードという観点からは物足りなさがありました。

しかしスタジオヘッドホン「HPH-MT8」は間違いなくスタジオモニター・ヘッドホンのニュースタンダードです。

そのサウンドの特徴は「モニタースピーカーとの差が少ない音」というところにあります。「高解像度で原音に忠実」というヘッドホンはたくさんありますが「HPH-MT8」はここが大きなポイントです。

モニタースピーカーと違い、ヘッドホンでのミックスの大きな弱点は出すぎている場合が多い「低音のバランス」ですが、「HPH-MT8」は低音再生がかなり正確です。そのためモニタースピーカーに近い感覚で作業することができます。


 

SONYのモニター用ヘッドホン

MDR-CD900ST

国内メーカーSONY(ソニー)の『MDR-CD900ST』(左写真)はサウンド・エンジニアやミュージシャンから大きな支持とシェアを獲得している音楽スタジオでは定番のモニター・ヘッドホンです。

またSONYの持ち運びに便利な折りたたみ式のヘッドホン『MDR-7506』も発売以来、高い評価を受けています。

この『MDR-CD900ST』と『MDR-7506』はどちらも素晴らしいヘッドホンで、宅録スタジオでの音楽制作でも、その威力を発揮します。

リスニング用の使用も考えている人には『MDR-CD900ST』よりも『MDR7506』のほうが良いと思います。

注意として書いておきますが『MDR-CD900ST』はミックスのメインに向くヘッドホンではありません。「DTM = MDR-CD900ST」みたいなものができ上がってしまっていますが、まともに音を知らない素人が誰かの記事を真似て、もっともらしく書いているだけだと思われます。

モニタースピーカーでの出音を計算すれば不可能ではありませんが、モニタースピーカーとの併用なしに『MDR-CD900ST』だけでのミックスは初心者には非常に困難です。

そのためミックス&マスタリング用途でヘッドホンを考えている人は、それらの作業を視野に入れた製品も販売されていますので、別の選択をしたほうが良いです。


 

AKGのモニター用ヘッドホン

アーカーゲー/K240S

AKG(アーカーゲー)は欧米を中心として世界的にシェアと支持を獲得しているオーストリアの音響機器メーカーです。

そのAKGのスタジオ・ヘッドホン『K240 Studio』と『K271 Studio』はモニター用のヘッドホンとして、バランスがとても良いので、日本国内でも人気があります。

自然な低音、中高域の細やかな鳴り方やタイトな音質が特徴的で、多くのエンジニアが愛用する『K240 Studio』(後継モデル『240MKII』)は海外のスタジオでの定番のスタジオヘッドホンで、音の定位もしっかりしています。

また『K271 Studio』(後継モデル『K271MKII』)はレコーディングスタジオからライブステージまで、さまざまなプロフェショナルシーンに対応する密閉型ヘッドホンです。


 

audio-technicaのモニター用ヘッドホン

オーディオテクニカ/ATH-SX1

Audio-Technica (オーディオテクニカ)は国内メーカーです。1996年に発売されたプロ仕様のスタジオモニター用のヘッドホン『ATH-SX1』、2000年に発売された『ATH-M40FS』、2007年に発売された『ATH-M50』、2002年に発売された低価格の 『ATH-M30』は評価が良いです。

特に個人的におすすめなのがaudio-technicaの『ATH-SX1』(後継モデル『ATH-SX1a』)です。このヘッドホンはリスニング用途にも使用することができます。

2万円以上したヘッドホン『ATH-SX1a』ですが、2014年時点で1万円台半ばくらいまで落ちてきていますのでオススメです。


 

その他のメーカーのモニター用ヘッドホン

SHURE『SRH840』

上記で紹介したメーカー以外にもSENNHEISER『HD650』、SHURE『SRH840』、KRK『KNS8400』、ROLAND『RH-300』などのスタジオモニター・ヘッドホンも高い評価を得ています。

この中で個人的にオススメなのはSHURE(シュアー)の『SRH840』です。長時間の作業は少し疲れますが原音に忠実で定位も良い『SRH840』は価格もお手頃なので、個人ユースの宅録スタジオでも戦力になってくれるヘッドホンだと思います。

後、これも個人的な意見ですがROLAND『RH-300』は、なかなか気持ち良く音楽が聴こえますが、『MDR-CD900ST』を基準にして他のヘッドホンと比較したときに少し癖があるので、メインで『RH-300』をモニターとして使用する際はその辺を充分に考慮した作業をオススメします。


 

モニターヘッドホン・セレクト

はじめてのDTM用モニターヘッドホン

はじめての本格的なヘッドホンをDTM用途で考えたときに、SONYの『MDR-CD900ST』『MDR-7506』、AKGの『K240MKII』『K271MKII』『K702』、Audio-Technicaの『ATH-SX1』『ATH-M50』あたりがスタジオモニター・ヘッドホンとして候補としてあがるのではないでしょうか。定番ですが…


 

スタジオモニター・ヘッドホン編 | はじめての宅録ツール

ヘッドホンとスピーカーの両方を一度に揃えるのは無理という方は「ヘッドホンを先に手に入れる」と、既に書きましたが、どのモニター・ヘッドホンをセレクトして良いのか分からない方などは業界定番のSONYの『MDR-CD900ST』を中心に「定番のスタジオ・ヘッドホン」からセレクトすれば良いと思います。至るところで…


 


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宅録スタジオ・ヘッドホン | DTM・DAWモニター選び(更新日:2019年04月17日)

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