ソースネクストが販売しているMAGIXの「Music Maker Premium」は音楽制作の知識や、音楽理論を持っていなくても、誰でも簡単に直感的に作曲をすることのできる全世界で100万本以上売れているMAGIXのDAWソフトです。
AHSより同シリーズ製品「Music Maker MX2」が販売されていましたが、ソースネクストが販売している「Music Maker 2024 Premium」が最新バージョンの最上位版です。
以前はソースネクストが出しているソフトの情報と、旧バージョンの情報だけだと情報不足だったので、安かったこともあり、ループ音源集を導入する感覚で「Music Maker Premium Edition」を個人的に購入してみました。
高品位なサウンドのDAWソフト「Samplitude」のオーディオエンジン搭載、マルチコアCPU対応、AI作曲機能を搭載するなど大きく進化していますが、ここでは、個人的に購入してみたバージョンをベースにして記事を書いています。
Music Maker Premiumの特徴
低価格ながら多機能なDAWソフト
低価格ながら多機能な「Music Maker Premium」はテンポが自動的に調節される豊富に付属する、さまざまなジャンルに対応するループ音源を直感的に並べてゆき、組み合わせて、ミックスすれば短時間で自分の音楽が出来上がります。
ループを並べるだけの作曲や、自動で作曲できる機能も搭載していますが、MIDIキーボードを接続してMusic Makerに組み込まれている高品質のバーチャル楽器や、所有しているVSTプラグインシンセを使用した打ち込みでの楽曲制作をすることも可能です。
また、マイクやギターなどを接続してレコーディングすることもでき、ミックスダウン時も付属しているエフェクトだけでなく、VSTプラグインエフェクトを使用することも可能です。
イベントリストも搭載するMIDI編集
MIDIの編集では、ピアノロール、ドラムエディタ、ベロシティ / コントローラエディタ、イベントリスト等の特別なMIDI エディタを使用することができます。
この価格帯のDAWソフトで正確なMIDIデータの確認には必須の「イベントリスト」まで搭載していたので、実は少し驚きました。
ムービーも制作できる
トラック制作ソフトとしても充分に活躍しますが、音楽だけではなく、画像とビデオをプロジェクトにインポートし、テキストを含め、ビデオエフェクトとクールビジュアルを追加することもできます。
完成したムービーは、MAGIX Online Album、Youtube、フェースブックなどに投稿することができます。
豊富なループ集と使えるソフトシンセ
ループ集 – サウンドプール
マルチメディア・ライブラリの多彩なループサウンドは、スタイル、楽器カテゴリー、ピッチで分類され、ドラッグ&ドロップでアレンジャーに組み合わせて使用することができます。
ピッチやさまざまなスタイルもテンポに合わせて適用されますので、余計なことを考えずに簡単に作曲することができます。
流れを簡単に説明するとStep1. ループ音源を配置、Step2. 長さを調整、Step3.パートを重ねてゆくという感じです。
重要になってくるループ素材は「Music Maker Premium Edition」には、ヒップホップ、ディープハウス、テクノ、ロックポップ、アコースティック・ドゥブステップ、ジャズ、トラップ、ブラジル66、リラックス、映画音楽、ダンス、アンビエントなどの素材を収録しています。
「Music Maker MX2」が約5,000ループなので「Music Maker Premium Edition」のほうが遥かに多いです。
もし必要な場合はループ音源はソフト内で買い足すこともできたり、たまに無料でサウンドプールが配布されていますので素材に困ることはないはずです。
<追記 2019年09月>サウンドプールを取得できる特典
標準搭載されているサウンドプールとは別に「Music Maker 2019 Premium Edition」からは、好きな「サウンドプール・コレクション($100相当)」を1つ、サウンドプール(1つ$19.99相当)を3セット無料で取得することができるようになりました。
最新バージョンの「Music Maker Premium Edition 2020」も、「サウンドプール・コレクション」と「サウンドプール」を同様に取得することができます。
バーチャル電子楽器(ソフトシンセ)
初期の「Music Maker」の取扱い時点で、ソースネクストがしっかりと情報を出さないばかりか、間違った情報を載せているので、個人的に一番わかりにくかったのは収録されるバーチャル電子楽器(ソフトシンセ)です。
12種類のバーチャル電子楽器と書いておきながら公式サイトの情報だと数が足りていませんでした。
上記画像が「Music Maker Premium Edition」に標準搭載される正しいバーチャル楽器で「VITA2」「Revolta 2」「Lead Synth」「Church Organ」「Choir」「Cinematic Soundscapes 8」「POP DRUMS」「Concert Grand」などが収録されています。
「Revolta 2」「Choir」「Cinematic Soundscapes 8」は個人的に好きです。後、「Concert Grand」はライト版ではなく、フルバージョンのものが使えます。
また「VITA2」の説明がソースネクストのは間違っていました。ドラム音源みたいな説明でしたが「VITA2」はマルチタイプ音源です。ベースやギターなども結構良い感じのが入っています。
ループ集と同様にバーチャルシンセも別途購入することが可能です。
<追記2019年09月>バーチャルシンセを8種類選択可能
2018年01月11日より発売が開始された「Music Maker 2018 Premium Edition」より、30種類以上のバーチャル電子楽器のなかから8種類を選んでダウンロードすることができるようになりました。
MAGIXのHPに記載されているスペック表で確認すると「Vita 2」「Concert Grand LE」「Revolta 2」は標準搭載されていますので、プラスで8つ選ぶことができます。
初心者にも優しいMusic Makerの機能
自動作曲機能やコード解析
進化を再開した「ACID Pro」と「Music Maker」を比較する人がいると思いますが、購入価格から考えると得した気分になります。
個人的にはループ集として元を取れればいいかな?くらいで購入したのですが、日本語でソフトの使い方を学べますし、「ソングメーカー・モード」や「ライブパッド・モード」は楽しいです。
曲の雰囲気、使う楽器、長さなどの条件を指定するだけで、オリジナル曲を制作できる「ソングメーカー・モード」とあらかじめ16個のパネルにループ音源を登録したパッドをクリックして、直感的に作曲できる「ライブパッド・モード」は知識不要で音楽ができてしまいます。
スマートフォンやタブレット(Android/iOS)で「ライブパッド・モード」はリモート操作することもできます。
もうひとつ使えそうだと思ったのは自動的に曲の各ビートのハーモニーを認識する「ハーモニーエージェント」です。
この「ハーモニーエージェント」は読み込んだ曲のコード解析をしてくれます。
2023年時点の最新バージョン「Music Maker 2024」では、 AI(人工知能)がジャンルのテンプレートと音素材集を選び、使いたい楽器と曲のパートを選ぶだけで自動的に音楽を生み出します。
ボーカル&ギター関連
一般的なDAWソフトと同様にボーカルやギターのレコーディングができます。また、ReWireの規格に対応しているので「VOCALOID EDITOR」を同期させることも可能です。
レコーディングしたボーカルは画像の「ボーカルチューン」でピッチ補正をすることができます。
ギターは伝統的なギターアンプを搭載した「VANDAL SE」がありますので、サードパーティー製のプラグインを購入しなくても、格好良いギターサウンドを作り出すことができます。
ひとつ注意点として書いておくと、VOCALOID EDITOR ユーザーは問題ありませんが、ReWireの規格に対応していますが「Music Maker Premium Edition」はホストとしてしか動作しません。
自動マスタリング機能
自動マスタリング機能を使用するとロック、70年代のディスコ、80年代のアメリカンポップ、90年代のクラブ、ジャズなど過去や現在の音楽スタイルに合わせたマスタリングを自動で行ってくれます。
ソースとなるサウンドが分析され、適切なイコライザーとダイナミックエフェクトが自動で適用されます。
マスタリングが苦手な人に重宝するだけでなく、ひとつのマスタリングの方向性を出してくれますので、別のDAWでミックスした素材を「Music Maker」に読み込んでマスタリングしてみるのも面白いのではないでしょうか。
<追記2018年01月>Ozone Elementsが付属
「Music Maker 2018 Premium Edition」より、定番のマスタリングソフト「iZotope Ozone」のライト版「Ozone Elements」がバンドルします。
Music Maker Premium Edition 付属ソフトまとめ
マスタリングソフト「Ozone Elements」
「Music Maker Premium Edition」以降には、定番のマスタリングソフト「iZotope Ozone」のライト版「Ozone Elements」がバンドルします。
ライト版ですが目的別の60種類以上のプリセットを搭載していますので、まだマスタリングソフトを持っていない人には即戦力となります。
オーディオ編集ソフト「SOUND FORGE Audio Studio」
オーディオ編集ソフト「SOUND FORGE Audio Studio」が「Music Maker 2020 Premium Edition」で新たに収録されました。
「SOUND FORGE Audio Studio」はサウンド、ループ、オーディオトラックを簡単に編集することができ、編集したサウンドは「Music Maker」に読み込んで使用することができます。
MAGIXのエフェクター
5つのマスタリングと3つのディレイ・エフェクトを収録する「coreFX bundles」が「Music Maker 2020 Premium Edition」では収録されました。しました。
マスタリング・エフェクトは「coreFX Compressor」「coreFX 2-Point Compressor」「coreFX Limiter」「coreFX Expander」「coreFX Gate」。ディレイ・エフェクトは「coreFX Delay」「coreFX Chorus」「coreFX Flanger」です。
マスタリングに使える4種類のアナログオーディオツール「Analogue Modelling Suite($199相当)」、アナログハードウェアの温かみのある音を再現する高品質なエフェクト集「Vintage Effects Suite($199相当)」、高品質リバーブ「VariVerb II($199相当)」前バージョンと同様に収録されています。
ソフトウェア音源 & ループ集
30種類以上の高品質なソフトウェア音源のなかから、最大で8種類まで好きなものを無料で取得しすることができます。
ループ集は好きな「サウンドプール・コレクション」を1つ、サウンドプールを3セットを選ぶことができます。
なかなかのサウンドクオリティーがありますので旧バージョンユーザーはソフトウェア音源やループ集を目当てに「Music Maker 2020 Premium Edition」を購入するのもありだと思います。
本当にこの価格と思えるほど多機能で、このページだけでは紹介することができませんが、キャンペーン時はかなり安いので、9年ぶりに2018年にアップデートした「ACID Pro」も魅力的ですが「Music Maker Premium Edition」も価格を考えるとオススメです。
いつも本音で書いているため辛口になってしまうソフトもありますが、「Music Maker 2020 Premium Edition」に関しては、価格から考えたときに高評価を与えても問題ありません。
初心者はもちろんのこと、素材も豊富ですので、中級者以上でもトラック制作ソフトとして使えますので持っていて損はないDAWソフトです。
キャンペーン情報やスペック情報等は以下で確認して下さい。間違っても旧バージョンの「Music Maker MX2」を購入してはいけません。
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Music Maker解説本
ソフトの使用方法を解説している「はじめてのMusic Maker MX2」が月額¥980で読み放題の「Kindle Unlimited」の読み放題本として追加されています。(2019年09月に読み放題本として確認)
「はじめてのMusic Maker MX2」の記載されているのは「Music Maker MX2の概要」「オーディオレコーディング」「MIDIレコーディング」「シンセサイザー」「エフェクト&ミキシング」「ボーカロイド」などです。
「Music Maker Premium」の解説本ではありませんが、充分に最低限の使い方をマスターすることのできる内容です。
「Kindle Unlimited」は入会一ヶ月目は無料で、更新しなければ実質無料で読むことができますのでチェックしてみると良いと思います。
思ったよりもDTM関連の書籍も充実していて人気の「99テクニックシリーズ」なども読み放題本になっているものもあります。
「Kindle Unlimited」の読み放題本は入れ替わりますので、「はじめてのMusic Maker MX2」も入れ替わる可能性もあります。
アドオンパッケージのダウンロード
「ダウンロードしたものには音源が2種類しか入っていなく、12種類も音源が入っていない」との質問を頂いたので記載しておきます。
上に掲載している画像の左画面の「アドオンパッケージをダウンロード(無料)」を選択すると右画像のファイル選択画面が表示されます。
ダウンロードすることのできる権利を持っているコンポーネントにチェックを入れればダウンロードすることができます。