国内メーカーである Audio-Technica(オーディオテクニカ)の「AT2020」は、2006年07月に発売されて以来、全世界でシリーズ累計販売数100万本を超えるロングセラーのコンデンサーマイクです。
このサイトの「スタジオマイク導入ナビ – おすすめボーカル用マイクの比較」のなかで紹介しているマイクのなかでも、参考までに紹介している一部のマイクを除くと、最も低価格でありながら、現在でもボーカル録音のエントリーマイクとして人気の高いマイクです。
AT2020の特徴
入門用コンデンサーマイクの定番
低価格マイクの代表格である「AT2020」は、ボーカルや楽器のレコーディングに最適な単一指向性のサイドアドレス型のコンデンサーマイクです。
多少ノイズレベルが気になりますが、トータルで考えると12,000円前後の販売価格からは考えることのできない品質なので、入門用コンデンサーマイクとしてもオススメしやすい製品です。
かつては商用スタジオの定番である Neumann「U87」を意識した RODE「NT1-A」も入門用コンデンサーマイクとして人気がありましたが、物価高や円安の影響もあり、RODEのマイクは激高価格になったこともあり、現在では入門用コンデンサーマイクは「AT2020」が一強状態です。
女性ボーカル用のマイクとしても最適
元のサウンド・キャラクターを強調しすぎることのない「AT2020」の音質は、完全にニュートラルと言うわけでもなくバランスのよさがあります。
男女ボーカルのどちらでも使用することができますが、この価格帯では、あまり選択肢のなかった女性ボーカル用の録音マイクとしても最適です。
尚、USB接続タイプの「AT2020」とは違い、PCへの接続には別途オーディオインターフェースなどが必要になりますので、マイクだけ購入しても録音することができませんので注意して下さい。
AT2020をビリー・アイリッシュが使用していた
グラミー賞の常連である世界の歌姫 ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)が、かつてコンデンサーマイク「AT2020」や、YAMAHAのニアフィールド・モニタースピーカー「HS5」を使用して音楽制作をしていたのは有名な話です。
流石に超メジャーになった現在は「AT2020」を使用していないと思いますが、安価な「AT2020」でも、ボーカリストの魅力を充分に伝えることができることをビリー・アイリッシュが証明しています。
型名:AT2020
形式:バックエレクトレットコンデンサー型
指向特性:単一指向性
周波数特性:20~20,000Hz
感度 (0dB=1V/1Pa、1kHz):−37dB
最大入力音圧レベル (1kHz THD1%):144dB S.P.L.
SN比(1kHz、1Pa):71dB以上
出力インピーダンス:100Ω平衡
電源:ファントムDC48V
消費電流:2mA
質量:345g
付属品:専用スタンドマウント、マイクポーチ、変換ネジ
USB接続タイプのAT2020
AT2020USB-X
さまざまなニーズを満たすために設計された 2022年09月に発売された「AT2020USB-X」は、動画配信・制作、ゲーム実況、宅録、ナレーションなどに対応することのできる「AT2020シリーズ」を継承した音質のコンデンサーマイクです。
質量は約375g の「AT2020USB-X」は、USB接続の単一指向性コンデンサーマイクなので、オーディオインターフェイスを別途用意する必要なしに、最大サンプリングレート 24bit/96kHz でボーカル録音をすることが可能です。
マイク単体で遅延のない直接モニタリングや、ミックスができるヘッドホン出力端子を「AT2020USB-X」は内蔵しています。
マイクに搭載する「ヘッドホン音量調整ダイヤル」で、接続したヘッドホン出力の音量調整をするこができ、「ミキサー調整ダイヤル」でマイクで収音した音とPC音源のバランスを調整することができます。
また「AT2020USB-X」に配置されるミュートタッチセンサーで、マイク音声をすばやくミュートすることができます。
AT2020USB-XP
2023年06月に発売が開始された「AT2020USB-XP」は、「AT2020USB-X」をプロフェッショナル仕様にしたマイクです。
質量は約375g と同じですが、主な機能の違いは、安定したマイク出力レベルを維持することができ「オートゲインコントロール機能」と、空調音やPCのファンなどのノイズを低減することのできる「ノイズリダクション機能」を搭載しているところです。
また、最大の対応サンプリング周波数が「AT2020USB-X」が 24bit/96kHz までなのに対して「AT2020USB-XP」は、最大 24bit/192kHzまで対応となります。
もう一つ書いておくと「AT2020USB-X」は別売りですが、ポップフィルター「AT8175」が「AT2020USB-XP」には標準で付属しています。
生産完了「AT2020USB+」「AT2020USBi」
以前「リアルワークスDTM」で紹介したことのある2014年11月にリリースされた「AT2020USB+」と、2015年11月にリリースされた「AT2020USBi」は生産完了となりました。
AT2020の限定モデル
AT2020USB-X MIKU(限定生産)
オーディオテクニカ公式オンラインストア限定で、2023年10月に「初音ミク」のアニバーサリーイヤーをお祝いする数量限定モデル「AT2020USB-X MIKU」が販売されました。(生産完了)
メインビジュアルは、イラストレーターの neco さんという方が、今回のために特別に描き下ろしたオリジナルイラストを採用しています。
AT2020TYO(限定生産)
2020年06月に発売された「AT2020TYO」は、AT2020をベースに、日本古来より使われてきた藍色(あいいろ)を本体カラーに採用した数量限定モデルです。(生産完了)
SONYの定番ヘッドホン「MDR-CD900ST」は日本国内のみでの定番ですが、Audio-Technica「AT2020」は、あくまでも「入門機・エントリーモデル」のカテゴリーのなかでですが、全世界で評価されていて売れているコンデンサーマイクです。
ダイナミックマイクの定番「SM58」と、コンデンサーマイクの定番「AT2020」の宅録エントリーモデルの流れは止まることはなさそうです。
アマゾン限定のガンメタリック・モデル「AT2020GM」もありますので「AT2020 シリーズ」の詳細や最安値情報に興味のある人は、以下のリンク先の「AT2020 シリーズの詳細 & 最安値情報」でチェックして下さい。