バンドルしていない製品を見つけるのが難しいくらいに、多数のMIDIキーボードや、オーディオインターフェイスなどの、主要ハードウェア製品に、Ableton(エイブルトン)の人気DAWソフト『Live シリーズ』の簡易版「Live Lite」が付属します。
現在のパッケージ版の最新バージョンは、2024年02月リリースの「Ableton Live 12」となり、簡易版のバージョン 12のアナウンスはされていませんので、ここでは、現在の簡易版 最新バージョン「Live 11 Lite」をベースにして紹介したいと思います。
Live Liteの特徴
Live Liteの主要機能
パッケージ版と同様に「Live Lite」も、最高32ビット/192kHzのマルチトラックレコーディングが可能ですので、現在のDAW音楽制作における音質に対応しています。
また、VST2、VST3、Audio Units v2/v3に対応していますので、WindowsでもMacでも、最新のプラグイン・エフェクターや、ソフトシンセを仕様することができます。
使用できるオーディオとMIDIトラック
レコーディング音質や、VST/Audio Unitsのプラグイン周りは、パッケージ版と同じですが、使用できるオーディオとMIDIトラックが 8トラックです。
まず、はじめに書いておきますが 、8トラックだと、カラオケにボーカル録音する程度の使い方なら問題ありませんが、凝った楽曲制作は、どう逆立ちしてもできません。
楽曲を仕上げるためのDAW機能が「Live Lite」は備わっていますが、使用できるのが 8トラックというのがネックになるところです。
エントリーエディションの「Live Intro」は、16トラック、StandardとSuiteは無制限で、オーディオとMIDIトラックを使用することができますが、「Live Intro」の16トラックも現在の音楽制作では厳しいトラック数です。
Live Lite搭載のソフトシンセとエフェクター
Live Liteのソフトシンセ/インストゥルメント
Instrument Rack で使用するDrum Rack、Impulse、Instrument Rack、Simpler、Drift などのソフトシンセが「Live Lite」には付属しています。
Live Lite付属のみで音楽制作する場合は、ビート・メイキングやドラムトラックは「Drum Rack」と「Impulse」で行い、サンプラー「Simpler」と、幅広いさまざまなサウンドを作り出せる「Drift」で、その他のトラックを制作する感じとなります。
ただ、ハードウェア製品を購入すると「Live Lite」だけでなく、他社のソフトシンセも無料でバンドルしている場合が、ほとんどですので、他社ソフトシンセも使えば、初心者の人が困ることはないです。
Live Liteのエフェクター
EQ、コンプレッサー、ディレイ、リバーブなど、基本的なプラグインエフェクターが「Live Lite」には搭載されています。
ダイナミクス系エフェクター
Auto Filter、Channel EQ、Compressor、EQ Three、Limiterなどのダイナミクス系エフェクターが「Live Lite」には付属します。
マスタリングの音量や音圧上げは「Limiter」で行うこととなりますが、正直、市販レベルや人に聴かせることのできるレベルでのマスタリングはかなり難しいですので、無駄なことはせずに、サードパーティー製のマスタリング・プラグインを手に入れましょう。
空間系 & モジュレーション系エフェクター
Chorus-Ensemble 、Delay、Phaser-Flanger、Reverbなどの空間系 & モジュレーション系エフェクターが付属します。
ボーカリストや歌い手の人は、コンプレッサーやEQもそうですが、ディレイとリバーブも、ミックス時のボーカル必須エフェクターですので、「Live Lite」に搭載している「Delay」と「Reverb」で使い方を覚えましょう。
ディストーション & 歪み系エフェクター
Saturator、Reduxなどのディストーション & 歪み系エフェクターが付属しますが、ギター用のアンプシミュレーターは搭載していません。
そのため、ギタリストの人は、ハードウェア製品でも、ソフトウェア製品のどちらでも大丈夫ですが、アンプシミュレーターを手に入れておきましょう。
Live Liteがバンドルする製品
多くのハードウェア製品に「Live Lite」がバンドルされていますが「Live Lite」は付属のハードウェアとすぐに連動するように設計されています。
そのため、ソフトをインストールした後に、面倒な設定に時間をかけることなく、演奏や操作を開始することができます。
Live Liteが付属するオーディオインターフェイス
Universal Audioのオーディオインターフェイス
Universal Audioのオーディオインターフェイス「VOLT シリーズ」に「Ableton Live Lite」が付属します。
UJAM「Virtual Drummer DEEP」「Virtual Bassist DANDY」、Spitfire Audio「LABS」などのソフトシンセ、Softube、Plugin Alliance、Brainworxのエフェクターや、Celemony「Melodyne Essential」なども、Universal Audio「VOLT シリーズ」にはバンドルしています。
Live Liteが付属するMIDIキーボード
NovationのMIDIキーボード
NovationのMIDIキーボード「Launchkey シリーズ」「SL MkIII シリーズ」「Impulse シリーズ」に「Ableton Live Lite」が付属します。
また、人気の「Launchkey シリーズ」には、ソフトシンセ「XLN Audio Addictive Keys」「AAS Session Bundle」「Spitfire Audio LABS Expressive Strings」などが、NovationのMIDIキーボードには付属します。
KORGのMIDIキーボード
KORGのMIDIキーボード「microKEY シリーズ」「nanoKEY シリーズ」に、2023年11月から「Ableton Live Lite」が付属するようになっています。
2023年12月にリリースされたオーディオインターフェイス機能搭載のMIDIキーボード「Keystage シリーズ」にも「Live Lite」がバンドルします。
Live Lite以外にも、さまざまなソフトがバンドルするのが、KORGのMIDIキーボードの人気の理由でもあります。
RolandのMIDIキーボード
昔はCakewalkの「SONAR X1 LE」でしたが、ROLAND MIDIキーボードの現行ラインナップ「A シリーズ」には「Ableton Live Lite」が付属します。
オーディオインターフェイス機能搭載のシンセサイザー「JUNO-DS シリーズ」は、MIDI コントローラー・モードは装備されていますが、DAWソフトやソフトシンセはバンドルされていませんので注意して下さい。
M-AudioのMIDIキーボード
人気のM-Audioのシンプルな「Keystationシリーズ」や、多機能な「Oxygenシリーズ」などのMIDIキーボードに「Ableton Live Lite」が付属します。
AIR Musicの「Hybrid 3」「Mini Grand」などのソフトシンセも、M-AudioのMIDIキーボードにはバンドルします。
簡易版ではできることも少ないですが、パッケージ版はさまざまなことができますので、操作が気に入った人は、パッケージ版『Ableton Live シリーズ』へのアップグレードを検討することをオススメします。
工夫すれば 8トラックの「Live Lite」でも曲を完成させることができますが、正直言えば、上位版に変えればよいだけの話なので、その工夫は時間の無駄です。