Digital Performerに付属するソフトシンセは、他の主要DAWソフトと比べると少なかったですが、「MOTU Instruments Soundbank」を付属するなどバージョンアップの度に充実してきています。
サードパーティー製の製品が必須だったDPですが、最新バージョン「Digital Performer 11」時点では、かなり使えるソフトシンセ & サウンドライブラリが増えました。
DP搭載のソフトシンセ
Nanosamper 2.0
読み込んだサンプル・データを鳴らすだけだった「Nanosamper(ナノサンプラー)」が、DP 11でバージョン 2へアップデートました。
バージョンアップした「Nanosamper 2.0」は、サンプルのドラッグ & ドロップによるインポートに対応し、サンプル加工もできるようになりました。
MOTU Instruments Soundbank
DP10に付属された「MOTU Instruments Soundbank」は、300種以上の楽器、1,100の音色と500種類のループから構成される約5GBの音源ライブラリです。
MOTUのソフトシンセ「MachFive 3」がベースとなっている音源ライブラリは、アコースティック&エレクトリックドラムキット、ピアノ、ギター、ベース、オルガン、弦楽器、木管&金管楽器、シンセサイザー、民族楽器、ボイスサンプル、コーラス、パーカッション、SEなどが収録されています。
MOTU MX4を搭載
45,000円前後で製品として発売されているハイブリッドなソフトシンセ音源「MOTU MX4」が「Digital Performer 9」で搭載されました。
Erik Norlanderによって設計されたEDMに最適な新しい120のプリセットから成るサウンドバンクも搭載されているので、最新のシンセサウンドからヴィンテージシンセサウンドまで多彩なサウンドを「MX4」で再現することができます。
DP8以前に搭載されたソフトシンセ
6種類のソフト音源
Digital Performer 8 時点で搭載していたソフトシンセは、アナログスタイルのモノフォニック・ベースシンセ「BassLine」。
80年代のシングルオシレーター・アナログシンセ「PolySynth」。デュアルオシレーター搭載減算シンセサイザー音源「Modulo」。
12パートのプルグラマブル・ドラムモジュール「Model12」。2オペレータ式FMシンセサイザー「Proton」、左画像のサンプラー音源「NanoSampler」の6つのソフト音源です。
初代 NanoSampler
現在のバージョン11 時点では、無料の「UVI Workstation」で使うことのできる「MOTU Instruments Soundbank」が搭載されていますが、以前はサードパーティー製のソフトシンセを持っていないと、生楽器系は初心者向けのサンプラー音源「NanoSampler」のみの作業でした。
サンプラー「NanoSampler」はなかなか使えますが、あくまでも初心者向けで、ジャンルにもよりますが、打ち込みメインで音楽制作している人がDPに搭載しているソフトシンセだけでトラック制作するのは物足りなかったです。
バージョン8 時点ではインパクトがなかった
旧ユーザーには大した問題ではありませんが、新しいソフトシンセはWindowsにも対応した「Digital Performer 8」でも追加されませんでした。
DP8でのWindowsの世界への参入自体が「Logic Pro」の低価格などから伸び悩んでいる新規ユーザーの獲得というのも理由としてあったはずです。
MIDIキーボードやオーディオ・インターフェイスにバンドルしているソフトでも、ひと通りのことができてしまいまうなかで、正直なところ、DPバージョン 8 時点で付属している6つのソフトシンセには、新規ユーザーに与えるインパクトというのはほとんどありません。
サードパーティー製のソフトシンセの導入のススメ
DPユーザーは気にしていない
音さえ良ければ良いというのは、もちろんなのですが、画像を見てもらえればわかると思いますが、パッと見で「Model12」はドラム音源には見えません。
あくまでも新規ユーザーの獲得という観点ですが、Windowsの定番DAWソフトと凌ぎを削って行くのであれば、このあたりもDPは改善して行く必要があると思います。
ただ、長いあいだ、このDAWソフトを使っているユーザーの観点から書かせてもらうと、良い意味でも悪い意味でも、それがMOTU「Digital Performer」です。
操作性や作業効率が重要なソフトであるために、DPユーザーで、付属ソフトシンセを気にしているユーザーは、ほぼいないと思われます。
ソフトシンセ「MachFive」
別売りになりますが、MOTUには「Digital Performer」と相性抜群のハイクオリティーなサウンド・ワークステーション「MachFive」がありますので、音楽制作のときに金銭的な負担は掛かりますが、ほとんど問題にはなりません。
安定した環境を求めてMOTU製品で固めたいのなら、現行バージョン 3の「MachFive」がオススメです。