これは自宅スタジオでのボーカル録音に限ったことではありませんが、ボーカル録音のときに入る物理的なノイズは、レコーディング後にDAWソフトでボーカルトラックを編集するときにかなりやっかいです。
マイクケーブルを見直すとともに、マイクスタンドや、ポップガードなどを使うことにより、ボーカル録音時のノイズを軽減させることができますので、クオリティーの高い作品を制作したい人はぜひチェックしてみて下さい。
マイク関連のノイズ軽減ツール
マイクケーブル(マイクコード)
趣味のカラオケ用にマイクを購入した人などは、マイクを購入すると「XLRメス – フォーン」のマイクケーブルがおまけで付いてくることがあるので、そのまま「XLRメス -フォーン」を使っていると思います。
しかし、カラオケではなくレコーディング用にマイクを使う方には、ノイズを拾いやすい「XLRメス – フォーン」よりもノイズを拾い難い「XLR(メス)- XLR(オス)」のほうが断然おすすめです。
ノイズなどをそれほど気にしないという人はよいですが、多くの製品がマイクを接続するオーディオインターフェイスや、ミキサーのマイク入力端子がXLRマイク入力に対応しています。
オーディオインターフェイスや、ミキサーの機能を活かさないのはもったいないですので、XLRで接続することができるようでしたら「XLRメス -フォーン」ではなく、「XLR(メス)- XLR(オス)」のマイクケーブルを迷わず選びましょう。
マイクスタンド
録音するときに、マイクを手で持って歌うと物理的なノイズを拾いやすくなります。そのためマイクスタンドを自宅スタジオでは使います。
マイクスタンドには「卓上型」「ストレート型」「ブーム型」などがありますが、物理的ノイズを軽減させるという役割以外もあります。
現在のボーカルレコーディングは一発録音で完了ということは、ほとんどありません。録音された数テイクのボーカルトラックから最良のテイクを選び出すコンピングという作業が行われます。
マイクとの距離によって、同じボーカルでも音質が違ってきますが、マイクスタンドを使うことにより、一定のマイクポジションの維持することができますので、各テイクのボーカルの音質の違いを防ぐことができます。
一般的に宅録スタジオではブーム型のマイクスタンドを使用している人が多いと思いますが、どのマイクスタンドを選ぶにしても、必ずグラつかない安定性のあるマイクスタンドを選びましょう。
レコーディング後の快適な作業に関わってきますので、適切なマイクスタンドを選ぶことは、良質なボーカルサウンドを得る上で非常に重要です。
ポップガード
テレビなどのレーコーディング風景でよくも見かける人も多いと思いますが、ポップガードは、ボーカルを録音するときに、ボーカリストの息がマイクに掛かり「ガフッ」「ボフっ」という録音を台無しにしてしまう「ふかれ」がマイクに入るのを防ぐために使うツールです。
ポップフィルター、ウインドスクリーン、ポップシールドなど、ポップガードには呼び方が色々ありますが、役割は同じで、マイクと口のあいだに立ててポップノイズを防ぐために使います。
どれだけレコーディング時に感情を込めてよく歌えたとして、ボーカル録音した後に「ふかれ」が入ってしまっていると、その箇所は台無しになってしまいますので、ボーカル録音をする人は、ポップガードは持っておいたほうがよいです。
アマチュアのボーカルが導入するには、少しハードルが上がりますので、ノイズ除去プラグインを使用しなくてもよいように、あらかじめレコーディング段階から、ノイズのことを気に掛ける必要があります。