ARC Studioの特徴とポイント – IK Multimediaのスタンドアローン音響補正システム

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2024年02月製品リリース後に気になった人も多いと思いますが、IK Multimediaのスタンドアローン音響補正システム「ARC Studio」の日本国内の販売が2024年03月に開始されました。

販売価格は299.99ユーロなので、一昔前の感覚だとそれほど高額という感じはなく、IK Multimediaの言う通りに手頃な価格かな?という感じですが、2024年04月時点では、さすがに困った感があるレベルでの円安です。

ARC Studioの特徴

音響補正ハードウェア、ソフト、測定マイクを収録

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ARC Studio は「音響補正ハードウェア・プロセッサー」「ARC 4 ソフトウェア」「MEMS 測定マイク」がワンパッケージに収められているスタンドアローンで音響補正システムが可能となる製品です。

以前から音響測定、解析を行う「ARC ソフトウェア」と「MEMS 測定マイク」がパッケージになった製品がIK Multimediaから販売されていましたので「ARC Studio」の大きなポイントは「ハードウェア・プロセッサー」です。

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スタンドアローン音響補正システム

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DAWベースの制作環境だと、今までのARC システムでの音響補正は、マスターバスやリッスンバスにプラグインをインサートする必要がありましたが「ARC Studio」のハードウェアプロセッサーと組み合わせることで、その必要はなくなりました。

スタンドアローンで動作する「ARC Studio」は、ソフトやPCの制限やスタジオの大小の規模に関係なく、自動でさまざまなタイプのスタジオの音響補正をゼロ・レイテンシーで行うことができます。

尚、ハードウェア・プロセッサーにオーディオインターフェイスの機能が搭載されているように見えてしまう人も当然いると思いますが、「音響補正ハードウェア・プロセッサー」にオーディオインターフェイスの機能はありませんので、各自で用意する必要があります。

ARC Studioのセットアップ方法

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画像出典:IK Multimedia 公式サイト

まずは各自で所有しているオーディオインターフェイスに、付属のMEMS 測定マイクを接続して、ソフトで部屋の音響特性を測定、解析し、その補正プロファイルを ARC Studio プロセッサーに転送すれば準備完了となります。

そして、その補正プロファイルをロードしたARC Studio プロセッサーをインターフェースまたはコンソールとモニタースピーカーのあいだに設置するという流れとなります。

ARC Studioのポイント

モニター・エミュレーション機能

ARC 4 ソフトウェアには、定番のスタジオモニター・スピーカー、スマフォ、人気のHi-Fi スピーカーなどをエミュレーションしたバーチャル・モニター・プロファイルが収録されています。

用意されているプロファイルは20種類以上あり、ロードすれば所有している1組のモニタースピーカーで、リスナーの視聴環境を想定した、さまざまなモニター環境でのサウンドをチェックすることができます。

モニター設置の悩みを即解決

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このサイトでも「スタジオモニター・スピーカー導入ナビ」や「低価格デスクトップ・スピーカーの比較」などを公開していますが、モニタースピーカーはプロアマ問わずに設置が難しいツールです。

音質向上や膨張気味の低域の改善のために、インシュレーターを使用する人も多いですが、3点支持か4点支持かによっても音は違ってきます。

もちろんヘッドホンもオーディオインターフェイスやエイジングなどによる違いはありますが、モニタースピーカーほどの同一製品での音の聴こえ方に差はありません。

そんな中で「ARC Studio」もそうですが、音響補正システムはモニタースピーカー設置の悩みを即解決してくれます。

スピーカーの買い替えを検討している人は、新たなスピーカーを導入する前に「ARC Studio」を検討する価値は充分にあります。

スピーカーの買い替えのほうがよい人もいる

6畳の部屋に7インチ以上のモニタースピーカーを設置しても、スピーカーの性能をフルに活かすことは、かなり難しいです。

測定マイクを使用してサウンド環境を解析する音響補正システムは、非常に優れていますので、部屋に合っていないスタジオモニター・スピーカーを使っている場合でも、モニタリングの問題を解消してくれます。

しかし、部屋に合っていないスピーカーを使用している人は、現在使用しているスピーカーを売って、新たに購入し直して、スピーカーの性能をフルに活かすことも考えたほうがよい気もします。
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ミックス作業時に「正確なモニタリング環境を構築できているかどうか?」と絶えず疑念を持ちながら作業をしている人にとって「ARC Studio」は間違いなく即戦力となる優れている製品です。

導入の際のネックとなるのはIK Multimediaの価格というよりも、円安による国内での5万円を越える販売価格です。(2024年04月時点)

これは手頃な価格ではなく、さすがに気安く「無理してでも絶対に買うべき!」みたいにオススメすることはで難しいです。

海外製品は為替レートにより変動しますので、IK Multimedia「ARC Studio」の最新価格情報は以下のIK Multimedia「ARC Studio」の詳細スペック & 最安値情報でチェックして下さい。

IK Multimedia「ARC Studio」の詳細スペック & 最安値情報

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