Rolandブランド時代に、単品製品だと上位バージョンの「SONAR Producer」、バンドル製品だと「SONAR Power Studio」などに付属していたピッチ補正やタイミング修正をはじめとする高精度なボーカルの編集をすることができる「Roland V-Vocal」は、歌モノの楽曲制作を考えている方などに大変に魅力的なツールでした。
2010年12月に登場した「SONAR X1」から標準バージョンの「SONAR X1 Studio」にも「V-Vocal」が搭載されました。
Roland V-Vocal
ボーカル編集ツール
定番の「Auto-Tune」のようなサードパーティー製の「ボーカルのピッチ補正エフェクター」の価格を見てもらえば分かると思いますが、ある程度しっかりしたピッチ補正ソフトはかなり価格が高いです。
1万円程度のサードパーティー製のピッチ補正エフェクターもありますが、細かい編集は難しく「効率的」「音質」という観点からは、あまりオススメすることができません。しかし、この「Roland V-Vocal」は操作性も良く「ピッチ/ビブラートの自動補正」「コーラスなどのバリエーション作成」など、オリジナルの息遣いを損なうことなく、さまざまなボーカルの編集をすることができるのでオススメです。
V-Vocaの主な仕様
Rolandの「VariPhraseテクノロジー」と「SONAR」の融合により誕生したボーカル・プロセッサー「V-Vocal」では、オリジナルの息遣いを損なうことなく、「ピッチ」「フォルマント」「タイミング」「ダイナミクス」の編集が可能です。3度上下のハーモニー(ハモリ)などの作成をすることもできます。
編集を繰り返しても「ピッチ」「タイミング」の補正は音質劣化の心配をすることなくリアルタイムで「V-Vocal」は処理することができ、「Pitch to MIDI」を使用すれば、ボーカルと同じピッチやニュアンスでシンセサイザーを奏でることができるので、全く新しいアレンジを加えることもできます。
ボーカル・トラック編集の可能性を広げる「V-Vocal」の主な仕様をまとめると「ピッチ/ビブラートの自動補正」「タイミングとフレージングの修正」「ダイナミクスの修正」「ボーカル素材からコーラスなどのバリエーションを作成」「リアルタイム非破壊処理」「オーディオファイルよりMIDIデータを生成するPitch to MIDI変換」などです。
V-Vocal搭載製品とセレクトポイント
V-Vocalを搭載している製品
ボーカル編集ツール「Roland V-Vocal」がバンドルされている製品は上位バージョンの「SONAR Producer」とRoland/Cakewalkのオーディオ・インターフェースなどのハードウェア製品をパッケージングした「SONAR Power Studio シリーズ」などでしたが、2010年に登場した「SONAR X1」から標準バージョンの「SONAR X1 Studio」にも「V-Vocal」が搭載されました。
コスト・パフォーマンスに優れている「SONAR Power Studio シリーズ」には右上写真の「Power Studio 25EX」や「Power Studio SonicCell」などの製品があります。
セレクトポイント
すでにプラグインなどが充実している方で、ボーカルのピッチ補正ツールのみが必要な方には、ANTARESの「Auto-Tune」や、Celemonyの「Melodyne シリーズ」などの定番のサードパーティー製のピッチ補正エフェクターを視野に入れてソフトを検討することをオススメします。