2023年12月20日にINTERNET(株式会社インターネット)より、歌声合成ライブラリ「Synthesizer V AI Megpoid」がリリースされました。
歌手・声優の中島愛(なかじまめぐみ)さんの声をベースに制作された「Megpoid」は、GUMI(グミ)という愛称で、ボーカロイドの黄金時代を牽引してきた人気ライブラリのひとつです。
YAMAHA「VOCALOID 6」のVOCALOID:AI 専用歌声ボイスバンクとして、すでにGUMIは発売されていたので、まさか「Synthesizer V AI」版のGUMIがリリースされるとは思っていませんでした。
VOCALOID:AIとSynthesizer V AIのMegpoid
VOCALOID 6 AI Megpoid
YAMAHA VOCALOID 6 AI専用の「AI Megpoid」は、2022年10月に発売された VOCALOID 6用に新たに録音・制作されたGUMIのボイスバンクです。
VOCALOID6のAI技術に最適化しているのが大きな特徴で、AIになっているので、当然ですが、VOCALOID 4で発売されていたGUMIよりも、明らかに表現力が豊かになっています。
AI版のGUMIの発売当時は、ボーカロイド黄金時代の人気ライブラリですので、他の歌声合成ソフトに押されてしまっていた YAMAHA VOCALOIDの復権の一役を担っているイメージでした。
AI版GUMIは2023年02月のアップデータ 6.1.0で中国語に対応。2023年10月にボーカルトラックを、そのままVOCALOID 6用のボイスバンクで再現できる「VOCALO CHANGER PLUGIN」に対応しています。
AI Megpoidはボイスバンク単体で購入することもできますが、ボイスバンクと、VOCALOID6 Editorがセットになったお得な「VOCALOID 6 Starter Pack AI Megpoid」もあります。
頻繁に15%オフになるクーポンが配布されるDLsiteでも「VOCALOID 6 AI Megpoid」を取り扱っています。
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Synthesizer V AI Megpoid
歌声合成ソフトウェア「Synthesizer V」の歌声データベースとして、2023年12月20日にリリースされた「Synthesizer V AI Megpoid」は、ヤマハ社とインターネット社とのやり取りが気になったりもします。
GUMIの販売元の株式会社インターネットから、AHSがSynthesizer V 対応の歌声データベース開発の要望を請け、Synth-Vの開発元であるDreamtonicsと協力して制作された経緯があるようですが、ヤマハは面白くなかったのでは?と勝手に思ったりしています。(あくまでも個人的な憶測です。)
日本語、英語、中国語、広東語に対応する Synthesizer V AI 版の「Megpoid」の歌声は、実際のシンガーのようにリアルで「AIボーカルで聴きたかったGUMI」という表現が相応しいです。
歌声データベース単品でもAI 版の「Megpoid」を購入することもできますが、お得な「Synthesizer V Studio Pro スターターパック」の引換え対象に「Synthesizer V AI Megpoid」が加わっています。
2023年時点で Synthesizer V 関連ソフト最安のDLsiteでも「Synthesizer V AI Megpoid」を取り扱っています。
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AI Megpoid(GUMI)のセレクトポイント
Synthesizer V AIが凄すぎる
VOCALOID 6の専用ライブラリとして発売されていたライブラリが「Synthesizer V AI 」でリリースされたというのがセレクトポイントです。
はっきりと書いてしまうと「Synthesizer V AI」が凄すぎるため、余程の理由がない限り、価格も高額な「VOCALOID 6」のGUMIを選択するというのは考えにくいです。
AIボーカルのクオリティーでは「VOCALOID 6」は「Synthesizer V AI」の 1~2週遅れくらいの差があります。
わたしは「ボカロ耳」と言われる歌声合成ボーカルの曲をメインに聴いていたり、制作している人間ではなく、実際のボーカリストを相手にして生きてきた人間ですので、これは間違いないです。
もちろん「VOCALOID 6」も、前バージョンの「VOCALOID 5」と比較すると進化していますので、YAMAHAにAI歌声合成技術がないと言うよりも「Synthesizer V」が凄すぎると言ったほうがよいでしょう。
ライブラリの飽和状態が懸念材料
重音テトがヒットするなど、今はほぼ「Synthesizer V」一強となっていますので、GUMIもそうですが、次々と「Synthesizer V」のAIライブラリが発売されています。
人気のバーチャルシンガー 可不(KAFU)の「Synthesizer V AI 版」の販売が、この記事を書いている時点で延期になりましたが、短期間に Synthesizer V のAI歌声ライブラリが増えすぎの感じがします。
勢いのあった全盛期のVOCALOID 3 時代もライブラリが多かったですが、ほぼ認知されることなく、まったく売れずに消えてゆくライブラリが「Synthesizer V」でも今後増えてゆくことが予想されます。
AHSはDreamtonicsの新作ライブラリを自社サイト以外で販売していませんが、これは今までの販売店との関係を無視したYAMAHA「VOCALOID 5」と同じ失敗をすることにならないか心配です。