UMGとSpliceが提携 - 次世代のDTM音楽制作AIツールとして期待

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音楽業界では、AIによる無断学習や著作権侵害をめぐる訴訟や規制の動きが活発化する一方で、AIを新たに活用する方法を模索する取り組みも加速しています。

そうした状況の中、世界的な音楽企業であるユニバーサル ミュージック グループ(UMG)と、サブスクリプション型のサンプルダウンロードサービスを展開する人気音楽制作プラットフォーム「Splice」が提携することを、2025年12月18日に発表しました。

DTMユーザーにとって、お馴染みのSpliceと世界の音楽シーンを牽引するUMGの提携は、クリエイターの権利を守りながらAIの恩恵を最大限に引き出す可能性があり「音楽制作の常識を塗り替えるかもしれない」と期待されています。

音楽業界が直面していたAI問題

音楽に限らず近年の生成AIの進化は目覚ましいですが、どこか不安や嫌悪感を感じていたクリエイターも多いでしょう。

無断学習AIへの抵抗感

2024年〜2025年にかけて、SunoやUdioといった「プロンプトひとつで曲が作れるAI」が爆発的に普及しましたが、これらの多くは既存楽曲を権利者の許可なく無断学習させていて、UMG、ワーナー、ソニーなど大手レーベルから訴訟が提起されました。

プロの現場や芸術性を重んじるクリエイターからは、誰かの努力の結晶を勝手に許可なく吸い込み、似たような音楽を出力する SunoやUdioは敬遠や軽蔑されることが多いです。

何より、大きな法的リスクがあるAIツールを商用プロジェクトで使うことは、プロとして致命的なリスクです。

AI音楽制作における倫理的スタンダードの確立

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今回のUMGとSpliceの提携はSunoやUdioは嫌うプロの現場で活動する人たちからも好意的に受け入れられています。

それは「100%クリーンな学習データ」と「アーティストの合意」に基づいたツール開発を公言していて、単なる新たなAIツール開発の発表ではなく、AI音楽制作における「倫理的スタンダード」の確立を意味しているからです。

安心して使えるAIは音楽制作のスタンダードになる

このサイトは2008年から運営していますが、最近DAWソフトは行き着くところまで到達していて、バージョンアップしても、それほど新機能に刺激もなく書くこともありませんでした。

その結果、サイトの更新頻度も少なめになりましたが、権利侵害の心配のないUMGとSpliceによる「安心して使えるAI」はエキサイティングで、次世代の音楽制作のスタンダードのひとつの形を見せてくれるかもしれません。

2025年に「生成AI音楽がブラック認定で配信サイトから排除の流れに」という記事を書き、その中で、以下のように記載しています。

DTMが象徴ですが音楽業界はテクノロジーの進化を取り入れながら発展してきた業界です。AIに関しても肯定的な人も少なくありません。しかし、それは「権利侵害がないのが前提」です。
生成AI音楽がブラック認定で配信サイトから排除の流れに
生成AI音楽の「Suno AI」と「Udio」が大手レコード会社から訴訟を起こされていますが、それに関連して配信サイトで生成AI楽曲の配信を不可にする流れが加速してきました。ディストリビューター最大手の「TuneCore」でも生成AI楽曲の...

このページを読んでいる人は多分理解できると思いますが、わたしたち音楽制作に関わっている人は新しい技術を恐れるのではなく、それを自分の武器としてどう使いこなすかを考えることができます。

高水準の音質を重視した商用AIツールの開発

UMGとSpliceのAI開発ロードマップ

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UMGとSpliceは「クリエイティブなコントロール」と「優れたサウンドクオリティ」を中核に据えた商用AIツールの開発の開発に向けたロードマップを策定しているとUMGは説明しています。

この取り組みは「知的財産の尊重」「アーティスト主体の姿勢」「高品質なクリエイティブ要素の活用」「アーティスト主体の姿勢」を重視しており、Spliceがこれまでに築いてきたAI対応のクリエイタースイートを基盤としています。

高度な商用AIツールの開発が期待される

多数の世界トップクラスのアーティストを擁するUMGと、世界中のDTMユーザーに広く利用されている音楽制作プラットフォーム「Splice」が連携することで、芸術的な意図を忠実かつ正確に反映できる高度な商用AI音楽制作ツールの開発の実現が期待されます。

AI搭載のバーチャルインストゥルメントやツールの開発

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創造的な表現とアーティストの可能性を広げるという共通の理念のもと、UMGとSpliceのパートナーシップでは、UMGのアーティストが自らの独自サウンドをSpliceのAIワークフローに取り入れられる、AI搭載のバーチャルインストゥルメントや制作ツールの開発を進められる予定です。

公式な契約と倫理に基づいたUMGとSpliceの提携によるAIツールの開発は「AIが音楽家の可能性を拡張する」という希望に満ちています。

<後記>
世界中のクリエイターがSpliceを利用するのは、もちろんサンプルが豊富だからですが、単にサンプルが豊富だからだけではなく、権利関係がクリアであることへの信頼があるからです。

SunoやUdioは訴訟が怖くて仕事では使えないというプロの人がほとんどだと思いますが、Spliceは安心して使うことができます。

長年、高品質なサンプルを提供してきた世界中のDTMユーザーに広く利用されているSpliceと、UMGが擁する世界最高峰のアーティストの感性が融合は期待してもよいのではないでしょうか。

DTMユーザーは、今後のSpliceのアップデートに注目しましょう。UMG所属アーティストの息吹が吹き込まれた、時代を変えるような制作ツールが届くかもしれません。

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