ベース専用のソフトシンセの世界は、長いあいだ、Spectrasonics「Trilian」が定番で、ほぼ一択時代と言ってもよい状況でした。
しかし、IK Multimedia「MODO BASS」や、Toontrack「EZ Bass」など次世代のベース音源が登場して、Trilian 一択時代というのは終了しました。
ベース専用のオススメ定番DTM音源
Spectrasonic「Trilian」 – 長いあいだ定番のベース音源
DAWソフト付属であったり、マルチタイプ音源に収録されているベースの音色に物足りなさを感じている人が、真っ先にチェックしたのが、Spectrasonicsの「Trilian(トリリアン)」です。
前モデルのベース音源の定番ソフトシンセ「Trilogy(トリロジー)」でも、充分に使えましたが、30GB以上の後継モデルの「Trilian」のベース・ライブラリーは、更にさまざまなベースの演奏を再現することが可能です。
「MODO BASS」が登場するまえは、ベースサウンドに対する中途半端さがない「Trilian」を、わたしもメインのベース音源として使用していました。
他にもベース専門音源にはVIR2の「BASiS」や、BEST SERVICEの「CHRIS HEIN BASS(クリス・ハイン・ベース)」もありましたが、各ソフト音源の販売金額等も考慮すると、「オススメ」という点では比較するまでもありませんでした。
後悔しないという点では、数々の賞も受賞した定番ソフトシンセであった「Trilian」がベストな選択でした。
現在でも、充分に使うことのできるベース音源ですが、長いあいだメジャーアップデートしていませんので、やはり「Trilian」は一世代前の印象です。
発売から時間が経っていても、価格が安くなっているわけではありませんので、購入を考えている人は、他のベース音源もチェックして、納得してから「Trilian」を購入することをオススメします。
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EZ Bass – 素早くトラック制作可能なベース音源
2020年にリリースされたToontrack「EZ Bass」は、スピーディーにリアルなベーストラックを作ることのできる即戦力ベース音源です。
アーティキュレーションを含む演奏フレーズのMIDIデータを収録しているだけでなく、「オーディオ → MIDI変換機能」「ベースライン自動制作機能」など、まさに最強のベース音源です。
MIDIコードをEZ BASSにドラッグ&ドロップすれば、仕事レベルで使えるベーストラックを短時間で完成させることができます。
収録されているのは、ビンテージとモダンの 2 つのベース・ギターのみですが、サウンドを拡張することもできる EZ Bass 用の拡張パック「EBX」も充実しています。
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MODO BASS – フィジカル・モデリング・ベース音源
IK Multimediaのベース音源「MODO BASS」は、業界初のフィジカル・モデリング・ベース音源で、現在の定番ベース音源のひとつです。
実際のところはわからず、休止期間もあった気がしますが、8年間の研究を経てのリリースとなった「MODO BASS」は、あっという間に、定番ベース音源の仲間入りを果たしました。
他のベース音源との大きな違いは、収録されるサウンドがサンプルベースではないところで、インストール時の容量が少ないのも大きな魅力です。
IK Multimediaは「ソフトシンセの再定義」と説明していましたが、サンプルベースではない「MODO BASS」は、その言葉に嘘はありません。
動作が軽く、必要ディクス容量が少ないで「音はどうなの?」と思われる人も多いと思いますが、「MODO BASS」は、本物のベースのようなリアルなサウンドを再現することができます。
上記「MODO BASSを使用した第一印象」は、「MODO BASS」購入時に書いた記事となりますが、現在のバージョンは「MODO BASS 2」となっています。
けして無視することはできない「EZ Bass」のこともあってか、バージョン 2でMIDIパターンも収録されるようになりました。
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ワンポイントアドバイス
ベロシティーを中心にMIDIデータの修正が必要になってくると思いますが、貧相なベース音源を使用している方は「Trilian」などの優れたソフトシンセに音を差し替えるだけでも、かなりのグレード・アップを感じることができると思います。
多分、ベース専用のソフトウェア音源の導入をしようとしている方は、DAW中級者以上の人だと思いますので、ワンポイントアドバイスとしてひとつ書いておきます。
それはベースが良いとボーカルが良く聴こえるということです。
キックとベースの関係が重要なのは至るところで書かれていますが、ボーカルとベースの関係は以外と知られていません。
もちろん音色だけでなく、ベースラインも重要ですが、ボーカルとベースに今まで以上に気を配ってあげると、トータルでの楽曲レベルを上げることができます。
ボーカルとベースの関係に関しては「ミックスダウンのコツ」でも公開中に書きましたが、また機会やリクエストが多ければ、どこかで解説したいと思います。
必要ハードディスク容量に注意
以下のハードディスク容量の記事は「Trilian」が全盛だったときに書いた記事です。現在の定番のベース音源「MODO BASS 」はフィジカル・モデリング音源なので、容量を気にする必要はありません。
また、高速で大容量のSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)も安くなっていますので、ディスク容量に関しては、HDD容量の大きいソフトシンセを使用する場合でも、それほど気にする必要はありません。
個人的にはベースのソフトシンセにはSpectrasonics「Trilian」をオススメしますが、唯一「Trilian」を使用する際に注意しなくてはならないのが必要ハードディスク容量です。
30GB以上のディスクスペースは半端ではないので、時代遅れの中途半端なパソコンを使用している人は注意が必要です。
尚、他のベース音源の必要HDD容量は「BASiS」が約9GB、「CHRIS HEIN BASS」が約14GBです。ちなみに「Trilian」の登場で生産完了になった「Trilogy」は約3GBでしたので、比較すると圧倒的にディスクスペースが必要というのがわかると思います。
次世代に突入しているベース音源で、個人的にオススメなのは IK Multimedia「MODO BASS 」と、Toontrack「EZ Bass」です。
Spectrasonicsの「Trilian」をはじめとするベース音源の詳細スペックなどは以下の「ベース専用のDTM音源の一覧」でチェックして下さい。