Slate Digitalの「FG-X」はミックスのクオリティーに影響を与ることなく、透明なままにサウンド・レベルを最適化することのできるマスタリング用エフェクターです。
2010年にSlate Digital「FG-X」が発売されてから、10年以上の経った2022年に「FG-X 2」がリリースされました。
すでに FG-X ライセンスを所有している人は、無償で「FG-X 2」へアップデートすることができます。
初代「FG-X」の特徴
ナチュラルに2ミックスのサウンド・レベルを最適化
数々のクオリティーの高いプラグインを開発するDSPエンジニアである Fabrice Gabrielにマスタリング・ツール「FG-X」はデザインされ、レコーディング/マスタリング・エンジニアである Steven Slate(スティーブン・スレート)によってファイン・チューニングされています。
価格がお手頃だったので、多少というより、当時は少し「FG-X」をなめていましたが、これが驚くことに、本当にナチュラルに2ミックスのサウンド・レベルを最適化することができるマスタリング・ツールでした。
日本でも「FG-X」は人気がありましたが、オーバー・コンプレッションなどのマスタリングにおける問題点を解決してくれました。
2つのプロセッサーとメータリング・セクション
マスタリング・コンプレッサー「FG-Comp」、レベル・コントローラー「FG-Level」の2つのプロセッサーと、PeakとRMSの各レベルをリアルタイムに表示して、詳細なカスタマイズもできる「METERING SECTION(メータリング・セクション)」で「FG-X」は構成されています。
一言で2つのプロセッサーを紹介するとミックスバス & マスタリングに特化したマスタリング・コンプレッサー「FG-Comp」は透明感を実現してくれるコンプレッサーで、「FG-Level」はミックスの透明性とパンチ・ダイナミクス感を保持することができるラウドネス・プロセッサーです。
進化した「FG-X 2」の特徴
音量や音圧を稼ぎたい人には物足りなさが先行
新しいデザインが目を引く2022年に登場した「FG-X 2」も、マスタリング・コンプレッサー「FG-Comp」と、ラウドネス・プロセッサー「FG-Level」で構成されています。
気になる人がいると思うので、結論から書いてしまうと「FG-X 2」は使いやすくなりましたが、手軽に音量や音圧を稼ぎたい人には、間違いなく物足りなさが先行します。
LUFSをどこの合わせるのかにもよりますが、市販されているCDレベルや、ハイレゾ音源の数値を求めていて、ミックスがあまり上手くない人が「FG-X 2」を使うと、多分というより確実に2ミックスは歪みます。
次世代の音量や音圧レベルに到達している他社のマスタリング・プラグインには追いついていなかったのは、ある意味では驚きでした。
M/S処理ができるようになった「FG-Comp」
初代「FG-X」のときから「FG-Comp」は秀作でしたが「FG-X 2」のAdvanced モードで、サイドチェーン EQ と M/S コントロールが追加されました。
現代のマスタリングでは、M/S処理は必須テクニックと言っても言い過ぎではありませんので、この点は高く評価することができます。
ラウドネス感に期待している人には2022年に久々にアップデートされた「FG-X 2」は拍子抜けですが、ファイナル・リミッターとして考えなければ、マスタリング時の使い道は多々あります。
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