2000年に登場したFOSTEX(フォステクス)の「NF-1A」は、多くのミュージシャンやサウンドエンジニアのなかで定番であった YAMAHA「NS-10M Studio」(テンモニ)の後継モデルを探すなかで注目されたスタジオモニター・スピーカーです。
NF-1Aの音はもちろん違いますが、比較的「NS-10M Studio」と近い感覚でミックスダウンの作業をすることができたこともあり人気がありました。
FOSTEX NF-1Aの特徴
良くまとまった定番スタジオモニター・スピーカー
高域に気になる点が多少ありますが「NF-1A」は「音の解像度が高く」「低域の音像も良い」ので、スタジオモニターとしての仕事をしっかりとしてくれる本当に良くまとまったスピーカーです。
出音を信じて安心して作業することができるのが大きな特徴でしたが、それだけでなく「NS-10M Studio」よりも音楽的に聴こえるのも「NF-1A」の大きな魅力でした。
リスニング用としても使えるので、サウンドエンジニアだけでなく、ミュージシャンにもスタジオモニター「NF-1A」は高く評価されました。
2013年にNF-1A 生産完了
残念ながら「NF-1A」は2013年に生産完了となりましたが、ある程度、大きな音を出すことができる自宅スタジオでの作業だけでなく、商用スタジオのコントロール・ルームやマスタリング・ルームでの最終工程まで活躍したのではないでしょうか。
実際にプロのサウンドエンジニアの方のなかでも、プライベート環境で「NS-10M Studio」と「NF-1A」の両方のモデルを使っている方もいました。
定番スタジオモニターだったので、商用スタジオでも「NS-10M Studio」と「NF-1A」の両方のスピーカーと、SONYのヘッドホン「MDR-CD900ST」を設置しているところも見掛けました。
この記事を書いている時点で、もしかすると「NF-1A」の在庫が残っているかもしれませんが、宅録環境でモニタースピーカーを探している方は、他にもしっかりとしたした製品はあり、間違ったセッティングをしなければ、自宅でもミックス & マスタリングはできます。
そのため、値がつり上がっているような状況なら、「NF-1A」に手を出すのはやめたほうがよいと思います。
現在、NF シリーズで販売されているのは、NFシリーズ最小の4インチHR形状ウーハー・ユニットを搭載した小型アクティブ・スピーカー「NF04R」のみです。
小型のFOSTEX PM シリーズは、低価格ということもあり、人気が高いですが、NF シリーズはニアフィールドモニター・スピーカーの世界で当時の勢いはありません。