SONY MDR-CD900ST – DTM用スタジオモニター・ヘッドホンの比較

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誰もが必ずたどりつくというより、避けては通れないのがSONY「MDR-CD900ST」だと思います。それくらいプロ・アマ問わずに定番中の定番ヘッドホンです。

現在でも「MDR-CD900ST」は、スタジオモニター・ヘッドホンの基準になっていますが、ミックスやマスタリングなど、トータルで、2ミックスを判断する用途には向いていません。

個人的にも仕事で10年以上使用していますが、自宅スタジオで使用しているアマチュアの人が多いために、同時にナンセンス的な批判も多いヘッドホンです。

SONY MDR-CD900STの特徴

スタジオモニター・ヘッドホンの定番

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プロが求めるクオリティと耐久性を徹底的に追及して、SONYとソニー・ミュージックエンタテインメントの共同開発により「MDR-CD900ST」は1989年に登場しました。

登場以来20年以上も、プロのサウンド・エンジニアやミュージシャンから高い信頼と評価を受けているスタジオモニター・ヘッドホンです。

原音イメージの再現性

この「MDR-CD900ST」を、もっとも評価すべき点は「原音イメージの再現性」で、レコーディング時のモニター用ヘッドホンとして高い信頼と評価を受けています。

至るところで言われている通りに、音はクリアで明確ですが、非常に耳が疲れるので、心地良い音を求めている人には、あまり向いているヘッドホンではありません。

<MDR-CD900ST スペック>
 型名:MDR-CD900ST
 形式:密閉ダイナミック型
 ドライバーユニット:40mm、ドーム型(CCAW採用)
 最大入力:1,000mW
 インピーダンス:63Ω
 音圧感度:106dB/mW
 再生周波数帯域:5~30,000Hz
 コード長:2.5m
 コードの太さ:Φ4.0mm
 プラグ:ステレオ標準プラグ
 質量:約200g(コード含まず)

DTMヘッドホン = MDR-CD900STではない

SONY「MDR-CD900ST」ミックス以降の作業のときの使用で書いておくと、個人的には、耳につくところやノイズに対して「ここチェックしなきゃ駄目だよ!」と正確に教えてくれるのが「MDR-CD900ST」だと思っています。

ミックスやマスタリングまでに使えるオールラウンダーではなく、ミックス & マスタリングまで考えると「DTMヘッドホン = MDR-CD900ST」というのは間違った考えですので、その点に関しては注意が必要です。

SONY MDR-CD900STのセレクトポイント

リスニング用途も兼ねるなら「MDR-7506」

SONY「MDR-CD900ST」は日本では定番ヘッドホンとして知られていますが、海外で定番ヘッドホンではなく、SONY「MDR-7506」のほうを使用している人が多いです。

はじめてのスタジオモニター・ヘッドホンを探している人で、リスニング用途も兼ねるのであれば「MDR-7506」のほうがよいと思います。

他社製品でも優れたモニターヘッドホンは多数ありますので、SONYにこだわらないで、一万円前後のヘッドホンを探しているのであれば、リスニングとモニター用として使えるAKG「K240MKII」や、Audio-Technica「ATH-SX1a」あたりのヘッドホンは、価格がかなり安くなりましたので、その辺りの製品も視野に入れることをオススメします。

それでも、各メーカーから、さまざまなスタジオモニター・ヘッドホンが発売されていますが、使用するしないに関わらず、音を知っておいたほうがよいヘッドホンが「MDR-CD900ST」です。

趣味でやっている人は別ですが、音楽制作の世界で生きてゆくのであれば「MDR-CD900ST」は、必ずどこかで出会います。

MDR-M1STとMDR-CD900ST

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価格が倍以上するので「MDR-CD900ST」の比較対象にするのは少し違う気もしますが、2019年08月に発売されたハイレゾにも対応する SONY「MDR-M1ST」を導入する商用スタジオも増えてきています。

どうしても後継機のイメージが強いヘッドホン「MDR-M1ST」ですが「MDR-CD900ST」の後継機の位置づけではなく、30年以上使われるものを目指して音も機構も再設計されています。

30年以上前に登場したヘッドホン

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現在はミックスダウンで使用している人もたくさんいますが、まず頭に入れておいて欲しいのは「MDR-CD900ST」は「自宅スタジオで完パケまで作る」という考えはまったくなかった時代の、30年以上前の1989年に登場したヘッドホンということです。

マスタリング・プラグインのWAVES L3のページでも書きましたが、1990年代後半から2000年代中盤くらいまでは、リリースされている楽曲の背景には音圧競争がありました。

音圧競争時代にリリースされた楽曲を「MDR-CD900ST」で聴くと、耳が痛くなり、長時間聴くのが困難な作品も非常に多いです。

2014年にTM NETWORK「DRESS 2」がリリースされましたが、「DRESS 1」は1989年にリリースされています。

まだレコードやカセットテープも店に置かれていた、1989年あたりにリリースされて、リマスターされていない当時のままのCDを聴いてみると「MDR-CD900ST」が定番になった理由がわかると思います。

SONY「MDR-CD900ST」の詳細スペック & 最安値情報

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