最近はDAWソフトの最上位版だと、ある程度のマルチタイプ音源が標準で付属していますが、サードパーティー製のマルチ音源は標準バンドルシンセと比べ物にならないほど持っていると重宝します。
一昔前のマルチタイプ音源は、どうしても専用のインストゥルメントにはリアルさで劣るというイメージがありましたが、近年は生楽器にしても向上して、かなりサウンドがリアルになっているため、一昔前であったり、中途半端な楽器に特化したソフトシンセよりも遥かに良いです。
このページは2019年に作成したもので、現在、情報が古くなっています。そろそろ「SampleTank 5」が登場しそうな気もしますので、「SampleTank 5」がリリースされましたら、新しくページを作り直す予定でいます。
尚、マルチタイプ & サンプラーのオススメ一覧ページは、新しいソフトシンセも追加して更新しています。
マルチタイプ & サンプラーの定番オススメDTM音源
ここで紹介するソフトシンセは、すべて所有しています。とりあえず比較するときに抑えておきたいのは、Native Instruments『Kompleteシリーズ』とSpectrasonics『Omnisphere 2』です。
Cubase ユーザーなら『HALion シリーズ』も選択肢に入れてもと良いと思います。
迷ったときは『Kompleteシリーズ』をオススメします。最上位グレードは高いですが、スタンダードグレードでもフルバージョンの「KONTAKT」を使用することができます。
サードパーティー製のライブラリを使用するには「KONTAKT」が必要な場合が多いこともあり、個人的な意見ですが、長いDTM・DAW生活で必需品のひとつに「KONTAKT」があげられます。
KOMPLETE 12
Native Instrumentsの業界標準の音楽制作パッケージ「KOMPLETE 12」が2018年09月に登場しました。
第12世代になる総合音源「KOMPLETE」には、新しいシンセ、新しいサンプル・インストゥルメント、新しいエフェクトの他、Expansionsサウンドパックが初めて収録されました。
新たにKOMPLETE 11までの最上位版「ULTIMATE」の上のフラッグシップ「KOMPLETE 12 ULTIMATE Collectors Edition」が加わり4つのラインナップになりました。
KOMPLETEの15周年を記念した最上位グレード「KOMPLETE 12 ULTIMATE Collectors Edition」はULTIMATEの全製品に「SYMPHONY SERIES – COLLECTION」と「Expansions」の150以上の製品をバンドルを収録したパッケージ。
上位版の「KOMPLETE 12 ULTIMATE」は100以上のインストゥルメント&エフェクト、45,000以上のサウンド、600GB以上のコンテンツを含むパッケージ。
スタンダードの「KOMPLETE 12」は50種類以上の製品、25,000以上のサウンド、170 GB以上のインストゥルメント&エフェクトを含むパッケージ。
エントリー版の「KOMPLETE 12 SELECT」は14製品、7,000以上のサウンド、45GB以上のインストゥルメント&エフェクトを含むパッケージ。KOMPLETE KONTROL Sシリーズ・キーボード「KOMPLETE KONTROL S88 MK2」にも収録されています。
無償の「KONTAKT PLAYER」だと、使うことのできないサードパーティー製のライブラリもありますので、進化したフルバージョン「KONTAKT 6」は、やはり手に入れておきたいところです。
注意して欲しいところは「KOMPLETE 12 SELECT」には「KONTAKT 6」が収録されていないことです。
⇒ Native Instruments『KOMPLETE』の詳細
HALion シリーズ
2017年02月16日にSteinberg『HAlion 6』と『HAlion Sonic 3』がリリースされました。1,000以上の新しいプリセット、6種類のインストゥルメント含む20GBものライブラリーや新たなツールやインストゥルメントを搭載しています。
新たに搭載されたインストゥルメントは2種類のグランドピアノ、ブラスセクション・ライブラリー、ストリングアンサンブル・ライブラリー、エレクトロインストゥルメントなどです。
また次世代ウェーブテーブルシンセシス、マクロページデザイナー、ライブサンプリングなどのサウンドデザイン機能も『HALion 6』には装備されました。
『HAlion 6』と『HAlion Sonic 3』のアップデートと同時にSteinbergのソフトシンセ10種類をバンドルしたプレミアムコレクションも新たに『Absolute 3』に変更になっています。
Omnisphere 2
前バージョンも数々の賞を受賞しましたが、7年後に大きく進化して登場したSpectrasonics(スペクトラソニックス)のバーチャル・インストゥルメント『Omnisphere 2』もElectronic Musician「The 2016 Editors’ Choice Awards」選出、「Mipa Award 2016」ノミネートをはじめ高評価を受けています。
12,000を超えるサウンドを収録、新しいシンセサイザー・エンジン、検索機能の強化をはじめ『Omnisphere 2』は、数々の新機能を搭載しています。
HDD空容量が64GB以上必要で、インストールにも時間が必要ですが、最近は大容量ソフトシンセも多いので、このくらいの容量で驚く必要もないでしょう。
⇒ Spectrasonics『Omnisphere 2』の詳細
SampleTank 4(リリース前の記事)
2019年初頭にリアリティーにこだわった新たなサウンド・ライブラリーが収録される『SampleTank 4』がリリースされることが2018年12月にIK Multimediaよりアナウンスされています。
2018年12月に「SampleTank 4は買いなのか? – IK Multimediaのマルチ音源」で紹介していますが、『SampleTank 4』には、アーティキュレーションごとのサンプルや同音連打時に自然なバリエーションを生成するラウンド・ロビン・サンプルも収録されます。
バージョン3と同様に「SampleTank 4 MAX」「SampleTank 4」「SampleTank 4 SE」の3つのグレードがバージョン4でも用意されています。
SampleTank 4 本体のフル機能はどのグレードでも使うことができますが、収録されるサウンド・ライブラリーが以下のように大きく違います。
最上位グレード「SampleTank 4 MAX」は合計250 GB以上のライブラリー、8,000種類のインストゥルメントを収録。
標準グレードの「SampleTank 4」は合計100 GB以上のライブラリー、6,000種類のインストゥルメントを収録。
エントリーグレードの「SampleTank 4 SE」は25 GBの新作サウンドを含む合計30 GB以上のライブラリーを収録。
⇒ IK Multimedia『SampleTank 4』の詳細
その他のマルチタイプ&サンプラー音源
MachFive 3
MOTUのソフトサンプラー『MachFive 3』は楽器、ループ、フレーズなど45GB容量の音源を収録する直感的に操作が可能なユニバーサル・サウンドワークステーションで『MIPA2013』の「ソフトウェア・インストゥルメント部門」の最優秀賞を受賞しています。
UVI、Giga、Kontakt、EXS24、AKAI、REX、ACIDなど変換操作不要で広いフォーマットに対応していて、直接『MachFive 3』で扱うことができるのも特徴ですが、国内の代理店がソフトサンプラーのイメージを押しすぎてしまっています。
国内のユーザーが求めているポイントとズレている宣伝なため、MOTU『MachFive 3』はかなり優れた音源ですが他のマルチタイプ音源と比較すると『Digital Performer』ユーザー以外には「今ひとつな印象」をユーザーに与えてしまっているのが残念です。
演奏テクニックまでを再現している『MachFive 3』の高品位のドラムス、ベース、ギター、ピアノなどの7つの音源は良くできていて、ギター音源「Telematic(8.28GB)」は、さまざまな演奏テクニックを再現できるリアルなギターサウンドです。
Rapture Pro
TASCAMブランドから、2015年11月にリリースされたCakewalk『Rapture Pro』は、楽曲制作だけではなくステージでも活躍するWindows/Mac対応のパフォーマンス・シンセサイザーです。
10GBを超える新しいコンテンツと全部で4,300以上のプリセットを含む、様々なジャンルの音楽で活用できる約20の豊富なカテゴリのサウンドを収録しています。
注意点としては「SampleTank」のようなマルティンバー音源ではないため、パートごとに『Rapture Pro』の立ち上げが必要になることです。
しかし、DAW用BTOパソコンで記載したスペックと同等のマシンで試しましたが、それほど重いソフトシンセではないので、普通の使い方だとナーバスになる必要はないと思います。
ただし「Sonar」以外のDAWで使用するときは、わたしの環境だと『Rapture Pro』は安定していません。「CUBASE」と「Studio One」だとシステムの再起動が必要になるため、「Sonar」以外では使用していません。
しっかりとバグは修正してほしいのですが、2019年時点でCakewalk『Rapture Pro』のアップデートを望むことは難しい状況です。
マルチタイプ & サンプラー音源 – 旧バージョン
KOMPLETE 11
約2年ぶりとなる2016年にNative Instrumentsのインストゥルメント/エフェクト・プラグインの定番バンドル『KOMPLETE』がバージョン・アップしました。バージョン11のラインナップは上から「KOMPLETE 11 ULTIMATE」「KOMPLETE 11」「KOMPLETE 11 SELECT」です。
KOMPLETEの世界への入り口として新たにラインナップされた「KOMPLETE 11 SELECT」は11製品、2,500以上のサウンド、約25GBにも及ぶソフトシンセとエフェクトがパッケージされているコスパに優れた製品です。
最上位の「KOMPLETE 11 ULTIMATE」は計87製品、約500GB/18,000種類以上のサウンドを収録。最新オーケストラ音源「SYMPHONY ESSENTIALS」も収録されています。
スタンダードの「KOMPLETE 11」は計45製品、約155GB/13,000種類以上のサウンドを収録しています。
MIPA2017のSoftware-Instruments 部門で「Native Instruments Komplete 11」は最優秀賞を受賞しています。
2018年09月に『KOMPLETE 12』が登場しましたので、バージョン 11は旧バージョンとなります。
SampleTank 3 MAX
2016年02月に販売が開始されたIKMの『SampleTank MAX』は人気定番のソフトシンセ「SampleTank 3」と22タイトルの拡張サウンド・ライブラリーを収録されています。
特徴は「総計50GB以上のサウンド」「21のカテゴリーに分類された総計4,600以上ものインストゥルメント」「9,000以上もの、ドラム / パーカッション・ループ」「3,500以上もMIDIファイル」などです。
需要のありそうなドラム音源は「SampleTank MAX 収録のドラム音源」で紹介していますが、個人的にSampleTank 3の拡張ライブラリでお気に入りは、かなり高品位のアコギサウンドを得ることができる「American Acoustic」です。
収録されるMIDIデータを上手く利用すれば簡単にリアルなアコースティックギター・トラックが完成します。
2018年12月に『SampleTank 4 MAX』がアナウンスされましたので『SampleTank 3 MAX』は旧バージョンとなります。
SampleTank 3
64bitに対応しないままで、長い間アップデートがなかったので、マルチタイプ音源で定番だったIK Multimedia『SampleTank』は一世代前の感じがありました。
最上位版にあたる『SampleTank 2.5 XL』は『TOTAL Workstation XL』や『TOTAL Studio 3バンドル』に、他の同社のソフトシンセや、プラグイン・エフェクトと一緒にバンドルされていたりと、バナナの叩き売りみたいな形で、かなりお得なプライスで販売されていました。
しかし、2014年07月に最新バージョンになる『SampleTank 3』が、現在のDAW環境に合わせて音質、機能ともに大きな進化を遂げてリリースされました。SampleTank 3のMIDIループは、なかなか便利です。
元祖定番マルチタイプ音源『SampleTank 3』は拡張ライブラリも込みで考えるとかなり使えます。
2018年12月に『SampleTank 4』のリリースがアナウンスされましたので『SampleTank 3』は旧バージョンとなります。