オススメできるDAWマスタリング用エフェクター(2019年版)

Old Information

2017年の後半はマスタリング・プラグインがかなり熱く、確実にマスタリング・プラグインも次の時代へ突入しました。

長い間、WAVESのL3 シリーズが定番だったので、あの音の質感が好きな人はたくさんいますし、まだファイナルプラグインで使っている人もたくさんいます。

しかし、このページで紹介しているマスタリング・リミッターを使い始めれば、WAVESのL3 シリーズは過去の産物と言っても間違いないことに誰もが気づくはずです。

オススメDAWマスタリング・プラグイン

2019年11月に「現代版のオススメできるDAWマスタリング用エフェクター」として、時間を掛けて試した上で、FabFilter「Pro-L2」、Eventide「Elevate」、IK Multimedia「T-RackS 5 Master Match」、iZotope「Ozone 9 Advanced」の4種類を選出しました。

ここで選出したはマスタリング・プラグインはクリエイター個人でも仕事レベル(配信レベル)でのマスタリング作業に対応することができます。

FabFilter「Pro-L2」

FabFilter「Pro-L2」
バージョン 1から多くの機能追加がされ2017年10月にバージョンアップした「FabFilter Pro-L2」はラウドネス&クリアが売りのCPU消費も少ないマスタリングリミッターです。

マスタリングリミッターにありがちな強引感のある音圧上げではなく、パートの分離感や奥行きなど、サウンドのクリアさを保ったまま、音圧を上げることができる原音忠実なマキシマイザーです。

原音に忠実なナチュラルなサウンドですがStyleで「Transparent」「Punchy」「Dynamic」「Allround」「Modern」など、トータル8つのリミッター・アルゴリズムでサウンドキャラクターを選ぶことも可能です。

マスタリングは音圧調整ではなく質感調整もあり、Eventide「Elevate」やiZotope「Ozone 8」のように質感調整と音圧調整をひとつのプロセッサーで完結させることはできませんので、「Pro-L2」の前でEQやコンプなどをインサートして質感調整をする必要があります。

おすすめのEQは今ではスタンダーとなったマスタリングにも使用することのできるクオリティーのFabFilter「Pro-Q2」です。

FabFilter「Pro-L2」の詳細スペック

Eventide「Elevate」

Eventide「Elevate」

Newfangled Audioによって開発されたEventide「Elevate」はリミッター、ヒューマンイヤーEQ、トランジェント、オーディオマキシマイザーを搭載する最大26バンド・フィルターのマスタリング・プラグインです。

マスタリング・ソフトでは新参者のEventide「Elevate」ですが、個人的に価格も踏まえた上で評価したときに一推しです。

ただ「Elevate」の国内代理店や取扱店の説明を見ると非常にわかりずらく、ほとんどがメーカーのコピペ文で紹介されていて、日本語マニュアルも現時点ではないので国内では普及しない状況です。

ユーザーには「人工知能アルゴリズムを使用するアダプティブ機能」が「次の時代に突入したかな?」と感じさせるだけのものとなっています。

「これまでに作成された最も高度なマスタリングプラグイン!」というのが「Elevate」の宣伝文句ですが、既存のマスタリング・プラグインと比較したしっかりとした説明がなければ「興味がある」程度で終わってしまいます。

2018年の01月から本格的に使用を開始しましたが、宣伝文句は誇大広告ではなく、実力的にはトップクラスのマスタリングプラグインです。

わたしは「Elevate」購入前に「EQuivocate」をインストールしたのですが、メーカー別にプラグインを表示させたときに「Eventide」のなかにはありません。

インストール失敗したのかな?と思い細かく見てゆくとNewfangled Audioのなかに「EQuivocate」がありました。「Elevate」も同様です。

Eventide「Elevate」の詳細スペック

IK Multimedia「Master Match」

T-RackS 5「Master Match」

2017年10月にリリースされたIK Multimedia「T-RackS 5」の新プロセッサーとして搭載された「Master Match」は最大3種類のトラックを解析し、それを別のトラックに適用することができます。

一度「Master Match」は詳細記事を書いていますが、解析後に「Match」をクリックすると、リファレンスとなるトラックの特性が自分の曲に再現されます。

質感だけを調整してくれるプラグインエフェクトは今までにもありましたが、T-RackS 5「Master Match」は質感だけでなく音量も調整してくれます。

適用具合を調整することができるだけでなく、適用されたEQカーブは自由にエディットすることができます。個人的に修正してもらいたいのはマッチ後のEQカーブのエディットの操作が少しやりにくいことです。

T-RackS 5の詳細スペック

iZotope「Ozone 9」

iZotope「Ozone 9」

登場したときに国内でもっとも話題になったのではないかな?と思われる2017年に登場したiZotope「Ozone 8」は大きく進化した次世代のマスタリングソフトになりました。

一番注目されたのはリファレンス曲っぽくマスタートラックを仕上げてくれる「マスターアシスタント(Master Assistant)機能」です。

調整は必要となってきますが、なかなかの精度でリファレンス曲っぽくなり、RMSや音圧も現代のレベルに到達しています。

ただ実際に使った人はわかると思いますが「チョット誇大広告かな?」と感じます。それでも、あくまでも「アシスタント機能」ですので誇大広告ではない気もします。

2019年に登場した「Ozone 9 Advanced」では「Master Rebalance」と「Low End Focus」が搭載され、さらに進化しています。ミックス&マスタリング時の低域の悩みは時代が変わっても変わりませんが「Low End Focus」は心強いです。

ひとつひとつのプロセッサーは非常に優れていますが、やっている音楽のジャンルや好みにもよりますが、わたし個人としては「Ozone 8」のマキシマイザー部分が、あまり好きではなかったです。

そのため「Ozone 8」を使用するときはマキシマイザーの部分だけバイパスにして、他のマスタリングリミッターを「Ozone 8」の後にインサートして差し替えていました。

先日「Ozone 9」にアップデートしましたので、チェックしたマキシマイザー部分の評価を「リアルワークスDTM」で紹介予定ですが、最上位版の「Advanced」は間違いなく使えるマスタリングツールです。

iZotope Ozone 9の詳細スペック

タイトルとURLをコピーしました